楽天ドラ2・安田　12球団新人一番乗り弾!攻守でマー君支えた、打てる捕手へ故郷・関西から大きな一歩

パ・リーグ   楽天2－1オリックス （ 2022年3月29日    京セラD ）

＜オ・楽＞5回、安田はプロ初本塁打となるソロを放つ（撮影・後藤　大輝）
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　どでかい一発で、大きな白星をもたらした。楽天のドラフト2位・安田悠馬捕手（22）が29日、オリックス戦の5回、12球団のルーキー一番乗りアーチとなる同点ソロ。勝ち越した7回には四球を選んでつなぎ役を果たし、バッテリーを組んだ田中将大投手（33）に259日ぶりの白星となる日米通算182勝目をプレゼントした。チームは今季初の連勝。攻守で頼もしいフレッシュな扇の要が、躍進への主役になる。

　打った瞬間に確信した。安田の放った打球は京セラドームの右翼3階席に吸い込まれた。開幕3戦目でのプロ1号。しかも、地元・関西での記念すべき初アーチを「気持ちよかったです！今までで上位に入る気持ち良さでした！」と満面の笑みで振り返った。

　1点を追う5回2死走者なし。初球の甘いカットボールを強振した。「（田嶋は）良い投手なので追い込まれると苦しくなる。甘い球はどんどん振っていく」。狙い通りに一発で獲物を仕留め、値千金の同点弾に。公式戦で初めてバッテリーを組んだ田中将からも「とんでもないホームラン打ちましたね。先にリードを許す展開になってしまったので大きかった」と賛辞を贈られ、そのベテラン右腕を好リードした。

　不思議な縁を感じずにはいられない。神戸出身。野球観戦は決まってオリックス戦だった。家族でほっと神戸を訪れ、鶏の唐揚げを食べながらプロ野球選手のプレーを目で追った。「タフィ・ローズが好きでした。やっぱりホームランを打つ選手が格好良かった」。小4時の09年4月10日には京セラドームでロッテ戦を観戦し「ラロッカが1試合で3発ぐらい打ったのを覚えています」と振り返る。

　成長とともに阿部慎之助や森友哉といった左打ちの「強打の捕手」への憧れが強くなった。松井秀喜に似ていることから、須磨翔風高時代は「青ゴジラ」と呼ばれた。目標はずっと変わらない。

　「目指すのは打てる捕手。ホームランをいっぱい打ちたい」

　物心がつくかつかないかの頃、親戚からおもちゃの野球道具をプレゼントされた。高校野球の監督経験がある父・譲さんは「プラスチックのバットでスポンジのボールをずっと打ってました。すぐにミートするようになって、電話機を壊したりしていました」と懐かしむ。オリックスの助っ人のパワーに魅了された少年が本塁打を追い求め続け、プロの舞台で最高の一発を打てた。

　スタンドには家族や小学校時代からの友人らが応援に駆けつけていた。「いいところを見せられて良かった。まずはここまで育ててくれて、野球をやらせてくれた両親に感謝したい。活躍することで恩返ししたい」と安田。感謝の気持ちを込めたアーチを、ここから量産していく。（重光　晋太郎）

　≪開幕4戦目は球団新人最速≫安田（楽）が両リーグの新人で今季初となる本塁打。開幕4試合目、3月29日のプロ1号は、同じ捕手の07年嶋（現ヤクルト）の28試合目、4月29日をいずれも抜く、球団新人最速となった。チーム新人の最多本塁打は16年茂木の7本となっており、記録更新の期待がかかる。また、前記茂木はパの新人1号だったが、楽天で両リーグ新人アーチ一番乗りは安田が初めてだ。