西武ドラ2・佐藤 ドラ1・隅田に続いた初登板初勝利 国立大出身投手史上初!姉の誕生日に5回零封快投

[ 2022年3月30日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4-0日本ハム ( 2022年3月29日    札幌D )

<日・西>プロ初勝利をあげた佐藤(右)はウイニングボールを手に、辻監督と喜び合う(撮影・西川 祐介)
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 姉の24歳の誕生日に最高の贈り物をした。西武のドラフト2位・佐藤は幼少期、2歳上の純華さんのマネばかり。女の子に人気のアニメ「おジャ魔女どれみ」のドレスを借りて着ていた。それが筑波大を経てプロ入りし、国立大出身投手では史上初の初登板初勝利。3連勝に貢献した。ヒーローインタビューでは「素直にうれしいです。ホッとしています。勝ったよー!」と、声を張り上げた。

 頭脳派左腕は試合前から冷静だった。新庄監督のセレモニーはブルペンからモニターで見て「落ちたらやばいな」と心配。マウンドでも冷静だった。初回は直球が134~139キロながら「スピードガンが壊れているのかな」と考えただけ。2回からは140キロ台に乗り、バットを押し込む。変化球は捕手の森を何度も跳び上がらせるほど荒れたが、これが的を絞りづらくし、5回4安打無失点の好投だった。

 姉と仲が良く、勉強を教わる少年だった。得意だったのは算数。学習塾の公文では小学2年時に3学年上の教材をクリアして表彰されたことがあった。現在はチームの本拠地・埼玉の隣である東京に住んでいるとあり、心の支えになっている。

 仙台市出身。11年の東日本大震災は小学5年だった。家族で2000ピースのパズルをつくっている最中だったがバラバラになった。1週間の友人宅での共同生活を終えて家に戻ると、家族4人で拾い集めたピースを完成させた。勝利球は「ずっと支えてくれている両親に。姉にも良い報告できた。実家に送りたい」とはにかんだ。

 右内転筋張りの今井の代役として急きょ中継ぎから先発に昇格。開幕2戦目で勝利したドラフト1位・隅田と球団史上初めて新人2人が開幕の6人に入り、昨季2勝だったチームの左腕の勝利数に早くも並んだ。「まだ始まったばかりなので2人とも2桁勝利を目指して刺激し合いながらやっていきたい」。姉とよく似た笑顔だった。(神田 佑)

 ≪ドラフト制以降初!複数の新人が初登板初勝利≫佐藤(西)が初登板で先発勝利。チーム新人の初登板初勝利は26日オリックス戦の隅田に次ぎ9人目となった。また、同一球団で同じ年に複数の新人が初登板初勝利は50年毎日の3人を筆頭に18組目。うち、開幕4試合目までにいずれも先発で初登板初勝利は、54年阪急の梶本、国頭、60年巨人の堀本、青木の各3試合目に次ぎ3組目で、ドラフト制以降では隅田、佐藤が初めてだ。

 ▼西武・辻監督 たいしたものだと思いますよ。本人はもう1イニング行きますと言っていたけど(森)友哉がグータッチに来たから、そこで終わり(笑い)。

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2022年3月30日のニュース