龍馬がよみがえらせた「逆転のカープ」、低い下馬評にナイン奮起し開幕4連勝!

[ 2022年3月30日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-2阪神 ( 2022年3月29日    マツダ )

<広・神>9回1死満塁、右前にサヨナラ打を放った西川は長野に抱えあげられる(撮影・奥 調)
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 広島・西川龍馬外野手(27)が29日の阪神戦で自身初となるサヨナラ打を放った。1点劣勢の9回1死満塁で登板直後の湯浅から右越え2点打を決めた。セ・リーグでは今季初のサヨナラ勝ちで開幕4連勝。佐々岡政権では初となる貯金4となった。

 サヨナラ勝ちは昨季1度しかなかった。それが本拠地開幕戦で、いきなり生まれた。殊勲の西川は言う。「打席に入る前に大勢のファンの皆さんの期待を感じた。そういう期待に応えたいなと打席に入った。いい結果に終わって良かったです」。観衆は2万8028人と3年ぶりの大入り。コイ党の力強い応援が、あの頃の「逆転のカープ」をよみがえらせた。

 1―2の9回。昇格即日で先発出場した新外国人・マクブルームが空気を一変させた。「とにかく塁に出たかった」とカウント1―1からのケラーのカーブを右前に落とした。

 代走には曽根。初対戦でもモーションの大きさは頭に入っていた。会沢のバントの構えはダミー。果敢に初球から二盗を狙った。アウトのタイミングも、遊撃・中野が捕球できておらず盗塁成功。運も広島の味方だった。

 会沢は空振り三振に倒れた直後、上本がもう一度ナインを奮い立せた。直球とカーブに食らいつき、空振りすることなくファウル8球の粘り腰。そして迎えた12球目、際どい内角直球を見逃して四球を選ぶと、ガッツポーズを見せてナインを鼓舞した。「粘って粘って次につなげば100点です」(上本)。1死一、二塁で出場した代打・長野のゴロは、投手・ケラーが捕球できずに内野安打。流れは完全にサヨナラ勝ちに向けて傾いていた。

 そして、1死満塁で西川が打席に向かった。心境は「本当は長野さんに決めてもらいたかった」。投手は湯浅に交代。初球のフォークを見逃し、続く内角直球を振り抜いた。ライナー性となった打球は、前進守備の右翼を悠々と越えていった。「何を打ったか分からないし、どうやって打ったかも、あまり覚えていない」。自身初のサヨナラ打で思い出せるのは、ナインと抱き合ったことぐらいだ。

 開幕4連勝となり、単独首位に浮上した。開幕前、評論家がそろって最下位予想だったことがナインの発奮材料となっている。西川が証言する。「一人一人がやってやろうという気持ち。下馬評のようにいかないんじゃないですか」。帰ってきた「逆転のカープ」が下位予想も覆す。(河合 洋介)

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