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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】「風邪は万病のもと」ではなく「万病の初期症状は風邪そっくり」

[ 2020年3月28日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(69)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「風邪のような症状が出る病気」について考えます。風邪が1週間たっても治らなかったら、それは別の重大な病気の可能性があります。

 《1週間たっても治らなければ病院へ》皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。新型コロナウイルスの感染が収まりませんね。マスク不足も深刻です。手に入らないからか、ここのところ街中では着けていない人も目立ちますね。なるべく人混みや密閉空間は避ける。できることをやっていきましょう。

 いま、せきが出始め、鼻水が垂れてきたら「自分もコロナに感染したか」って思っちゃいますよね。でもそれは「風邪をひいた」のかもしれません。「医療の雑学王」としてテレビでもおなじみの秋津医院(東京都品川区)の秋津壽男院長に解説していただきましょう。

 風邪の定義は「上気道(鼻やのど)の症状を伴う熱性疾患」。せき、鼻水、のどの痛み。この3つが基本的な症状で、プラス発熱。この4点が48時間以内にそろったら風邪の可能性が大です。じゃあ病院に行かなきゃ。実はこれが間違いかもしれないんです。秋津先生は「通常の風邪は特別な治療をしなくても治る」と話します。免疫が弱っている状態で病院に行くと、待合室で他の病気に感染するリスクがあるそうです。ひどいせきや高熱が出ていない状態ならば、あえて病院に行かず、市販の薬をのんで、家でしっかり休養するのがいいんですって。

 ただし、これは1週間程度で症状が治まったらの話。1週間たっても治まらなかったら、重大な病気の兆候かもしれないのです。「“風邪は万病のもと”ではなく“万病の初期症状は風邪そっくり”」。秋津先生から素晴らしい標語を教えていただきました。1週間で治ったら怖い病気ではない。2週間も続いたら怖い病気の可能性。この標語、肝に銘じておきましょう。

 例えば、風邪のようなのどの痛み、違和感が治らなければ逆流性食道炎かもしれません。寒けや微熱が続いたら腎盂(じんう)腎炎の可能性もあります。腎臓と尿管の接続部分に炎症が起こる病気で、慢性腎不全につながるので注意が必要です。せきが続いて胸が痛くなってきたら肺炎や、肺の表面を覆う膜に炎症が発生する胸膜炎ということもあります。

 風邪をひくとたんがからむ人も多いと思いますが、たんに血が混ざっていたら結核、肺がんの可能性も排除できません。食道がん、喉頭がん、白血病も風邪のような症状が出ることが多いそうです。

 せきや熱の症状がひどくないという条件はありますが、秋津先生のご指摘のように「1週間が目安」。1週間たっても治らなければ病院です。

 《重症化しないように体力、免疫力を》高齢者は風邪をひきにくいという説があります。長年生きていると、さまざまなウイルスにさらされるわけです。それで体内にある程度の抗体ができている。秋津先生もこの説に同意します。ただし「高齢になると免疫力が落ちてくるので、軽い風邪でも肺炎になることがあるので注意が必要」とのことです。

 いくら風邪をひきにくいといっても、いきなり38度を超える高熱が出たらインフルエンザを疑わなければいけません。秋津先生によると、通常の風邪なら熱は、37・2度→37・5度→38・0度など徐々に上がっていくそうです。平熱だったのが突然38度。これは、ほぼインフルですって。

 いま熱っぽくなって、体もだるくなったら、やっぱりコロナを疑いますよね。実際、秋津先生も「通常の風邪と症状が同じで見分けづらい」と言います。まずは「37・5度以上の発熱が4日以上」など国の指針に従って様子をみましょう。治療薬がないのは怖いですよね。私は、いまは自己免疫力を高めるしか対策はないと思ってます。体を冷やさない、鼻うがいをする、腸内環境を整える。これを意識的にやってます。あと毎日体温も測ってますよ。平熱であることを確認して、今日も大丈夫!と健康のバロメーターにしてます。これおすすめです。

 秋津先生は「もう100%コロナウイルスに触れない生活は不可能。触れても重症化しないように体力、免疫力をつける。夜更かしなどの不摂生は避ける」と話していました。コロナもそうですけど、風邪の症状の陰には重大な病気が隠れていることがあるのを忘れないで。「万病の初期症状は風邪そっくり」ですよ。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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