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【だから元気!】BOROの“一言主義”「103歳までロック」寄せ集めの知識で好調維持

[ 2021年11月19日 05:30 ]

立ち稽古中の爪先立ちを再現するBORO。「無理せず椅子につかまってやってもいいんです」
Photo By スポニチ

 著名人に健康や元気の秘けつを語ってもらう企画「だから元気!」。今回は「大阪で生まれた女」のヒットで知られるシンガー・ソングライターのBORO(67)です。今年1月に腎臓がんの摘出手術を受け、決意したのは103歳まで現役で歌うこと。目標を達成するために掲げる「ワンフレーズ」が大切だと言います。

 長寿につながると思ったことはいろいろと取り組んでいます。1月の手術後、毎日やっているのは「立ち稽古」。コロナ禍の最近は座りっぱなしで曲作りをする日々が続いたので、3月の術後復活ライブに向けて毎日、本番さながら立って歌う稽古をしました。すると体重も落ちて絶好調。やめるのがもったいなくなって、今でも続けています。

 稽古中には時々、爪先立ちをします。第2の心臓と呼ばれるふくらはぎを鍛えているんです。何秒何セットとか決めず、思いついた時にできる範囲内でやっています。あとは深呼吸。鼻から大きく息を吸って、ゆっくりと全てを吐き出す。年齢とともに増えると言われる活性酸素を出し切るイメージですね。こうやって心肺を鍛えることで最近は息切れをしなくなったし、声を張り上げないで楽に歌えるようになりました。

 食事にも気を使っています。健康上、絶対に禁物なのが肥満。専門家が「胆汁の分泌が多い人に肥満はいない」とテレビ番組で話しているのをたまたま見て以来、胆汁の分泌を促す海藻類、もち麦、杜仲茶(とちゅうちゃ)、エゴマ油を摂るようにしています。確かに便がたくさん出るようになって、体重はピークよりも5キロぐらい落ちました。

 寄せ集めの知識による健康法ですが、姿勢も良くなってきたし、膝の痛みも消えました。このまま健康を極めて103歳まで現役という目標を達成させたいです。100歳を超えても舞台に立ち続けた舞踏家の大野一雄さん(享年103)に影響を受けました。「病気がちの人間が何言うとんねん」って笑われるかもしれないけど、目標を掲げること自体が大切なことなんです。

 私自身、病気とケガの連続でした。頬骨と歯の間にある上顎洞(じょうがくどう)に膿(うみ)がたまって2006年から5年間で計5回、口の中を144針縫いました。10年には、倒れてきたシンバルスタンドが頭に当たって硬膜下血腫を発症。2度も大手術を受けました。15年に新薬治療で治るまでC型肝炎にも苦しみ続けました。

 入退院を繰り返して思ったことは「しんどいわ」「あかんわ」って口に出すと、悪い方にベクトルが向いちゃうということ。逆に「よし、長生きするぞ」と言えば、健康な方向にベクトルが向くんです。だから自分は「103歳までロックする」と掲げました。ソングライターらしく、キャッチーなワンフレーズでね(笑い)。不思議なもので、これを掲げて以来、どんどん健康に関する情報が入ってくるし、1月に摘出した腎臓がんも「超」が付くほど早期の腫瘍を主治医が発見してくれました。

 ベクトルが健康に向いたおかげで役立つ知識が増えました。いろんな情報を取り入れるようになって「本当に103歳まで生きられるんじゃないか」という雰囲気をつくること。これこそが最大の健康法だと思っています。

 《来月22日アルバム発売、コロナ関連の歌も収録》2年ぶりのアルバム「OVERCOME」を来月22日に発売する。「克服」を意味するタイトルは、多くの病魔に打ち勝った自身が「コロナ禍の中でみんなが悩み、苦しんでいる。だからこそ“みんなもOVERCOMEしようよ”というメッセージを込めた」という意欲作だ。「病院で働く人に捧(ささ)ぐ歌」や「ガラス細工の飾り物」などコロナ関連の歌も収録している。

 ◇BORO(ボロ)1954年(昭29)3月11日生まれ、兵庫県出身の67歳。79年、内田裕也さんプロデュースの「都会千夜一夜」でデビュー。同年に「大阪で生まれた女」がヒット。音楽プロデューサーとしても沢田研二、松田優作さんらに楽曲を提供。学生時代、おんぼろ自転車に乗っていたことから友人に付けられたニックネームをそのままアーティスト名としている。

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