×

旅・グルメ・健康

【生島ヒロシ オヤジの処方箋】歯磨きでコロナ対策 ペースト成分がウイルス侵入防ぐ可能性

[ 2021年9月3日 12:00 ]

ニューノーマル時代の歯磨き
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「ニューノーマル時代の歯磨きと唾液の重要性」について考えます。個人個人が今日から始められる、新型コロナウイルスの感染予防対策です。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。新型コロナの緊急事態宣言が、自治体を拡大して継続中です。期間は12日までとなっていますが、たとえ解除されても気が抜けないですね。そこで今日は、ニューノーマル時代の口腔(こうくう)ケアについて考えます。昨年6月、やはりコロナ下の口内環境についてお話をうかがった、テクノポートデンタルクリニック(東京都大田区)院長で日本歯科大学付属病院臨床教授の倉治(くらじ)ななえ先生に再登場をお願いしました。

 まずは、歯磨きについて。皆さん、歯磨きチューブの裏側を見てください。カタカナの成分がずらりと書いてあると思いますが、「ラウリル硫酸ナトリウム」ってありませんか?このラウリル硫酸ナトリウムに代表されるいくつかの成分には、新型コロナウイルスが体内に侵入するのを阻止する可能性があることが最新の研究で分かったそうです。要するに、コロナウイルスが口の中に入ってきても、歯磨きが感染を防ぐ手段になり得るということ。これは、しっかり磨かねば。では、このニューノーマル時代の磨き方はどのようにするのがよいのでしょう。倉治先生に指導していただきました。

 イラストを見てください。まずは、毛の部分が小さめのやわらかい歯ブラシを選ぶこと、そして口を閉じて磨くことがポイント。「磨くときには“シャカ、シャカ”と昭和のお父さんのように勢いよくではなく、毛先を歯と歯茎の間に45度の角度に当てることを意識して“チョコ、チョコ”と小刻みに動かしてください」と倉治先生。日本歯科医師会の実験によると、口を開けて磨くと飛沫(ひまつ)が飛び散り、特に前歯の裏を磨くときが激しく飛ぶという結果が出ています。

 ゆすぐときも注意点があります。口に含む水は少なくして、できるだけ洗面ボウルに近い位置で吐くこと。倉治先生は「洗面ボウル内の飛沫は水を出すことによって流れます。気をつけてもらいたいのは、その周囲。どうしても飛沫が飛んで、残ってしまいます。ペーパータオルなどで水分を拭いて、できればアルコール消毒を」と勧めます。

 あと職場などで集団で磨くときは、時間をずらすか、間隔を空ける。「家で、家族で交代で磨くときも注意が必要です。エアロゾルは残りますから。唾液=コロナウイルス、と思うぐらいの気持ちで」とのことです。

 私は結構、倉治先生のおっしゃる通りのことができてますよ。歯ブラシはヘッドが小型のを使ってますし、洗面台の周囲もちゃんとアルコール除菌してます。妻にずいぶんと教育されたので…。

 今回、倉治先生から「コロナ禍で唾液の分泌量が減っている」という話をうかがいました。私の周囲にも、そう言っている人が多いです。倉治先生が副会長を務める日本フィンランドむし歯予防研究会が全国の歯科衛生士200人にアンケート調査を行ったところ、71・2%が「コロナ禍前と比べ唾液が少ない・口の中が乾いている患者さんが多いと感じる」と答えたそうです。

 なぜ唾液が減っているのでしょう。倉治先生いわく「第一の要因はストレスです」とのこと。「いつ感染するかも分からないと緊張していると交感神経が優位に働きます。交感神経が優位になると唾液は出にくくなります」。そこに輪を掛けて、四六時中マスクをしている生活。「マスクをすると、どうしても口呼吸になり口内が乾きます。マスクをしていることで表情をつくらなくなり、表情筋を動かさなくなっていることも唾液分泌と関係しています」。水を飲む機会が減りがちなことも要注意だそうです。「唾液の1日の分泌量は、1~1・5リットル。その原材料は水です」と倉治先生。水分なら何でもいいわけではないんですって。「お茶やコーヒーは交感神経を活発にします。ガブ飲みなんかすると、かえって唾液が出なくなります」。水を飲んで、その後にガムをかめばさらにいいそうです。顎の筋肉が動き、唾液腺が刺激されるからだそうです。

 倉治先生は「ガムなら、歯の内側から再石灰化を促すキシリトール入りのものを」と強く勧めます。実はコロナ禍で唾液が少なくなったことで、虫歯の患者さんも増えているんですって。「唾液にはカルシウムとリン酸が過飽和状態で入っています。これらが、虫歯菌の酸によって溶け出した歯を再石灰化するからです」とのことです。

 私は話すことが仕事なので顔の筋肉をよく動かしますし、舌を口の中でグルグル回したりもしています。マスクをしても鼻呼吸を心がけてますしね。マスクをしているからって口の中のケア、メンテナンスを怠ってはいけませんよ。外出先でも、必要なときにはしっかり歯磨き。ニューノーマル時代に合わせたやり方で。

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る