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【さくらいよしえ きょうもセンベロ】ハマっチャイナよ冷凍果物サワー

[ 2019年8月9日 12:00 ]

日昇サワーのレモンとスイカ
Photo By スポニチ

 昨年7月に他界した落語家・桂歌丸さんゆかりの横浜橋商店街。炎暑の街でライター・さくらいよしえが訪れたのは「立ち飲み 日昇」。果物たっぷりのオリジナルサワーと本格的な中国料理を堪能。それにしてもココのお客さんは濃いわ!

 どこか大阪の下町を感じる横浜橋商店街。スーパーに併設された「立ち飲み 日昇」の店頭に、作りたての揚げパンや岩のりが入った海蛎餅(ハイリービン)が並ぶ朝9時には、もうお客さんが立ち飲みコーナーに集う。

 タクシーの車を洗う仕事で朝7時に上がるという夜勤明けのお兄さんから、朝昼夕と1日に何度も通いつめる勤勉な人もおられるらしい。

 切り盛りするのは、福建省出身の美人中国人三姉妹。店主の林さんは、もともと横浜中華街でも店を営んでいたことから相棒のシェフの腕はいい。

 クミンを効かせた羊肉串に、肉汁が飛び出る手作り餃子(ギョーザ)、ラー油が香る旨(うま)辛な麻婆(マーボー)豆腐、なんてことない「今日の青菜炒め」までやたらとおいしい。その上、スーパーの弁当(278円!)、春雨サラダ(100円!)も全て持ち込みオーケー。

 まるで自由の女神な三姉妹である。

 「ここに来たらサワーを飲まなくちゃ」と、すでに出来上がっている常連客がすすめるのは果物サワー各種。スイカにメロン、桃にマンゴー。まず、ジョッキに凍らせた果実がどさっと入る。それにキリンのチューハイサーバーからサワーが注がれる。

 あれ、氷はない?

 「果物が氷の代わりですヨ」と林さん。なるほど、お酒が薄まらず、果実のビタミンだけ溶け出る素晴らしきヘルシーリカー。

 まだ明るい夏の午後。我々はすっかりサワーのとりこになっていた。

 「すいません、果物そのままで中(なか)お代わり」。ここでいう“中”とは、キリンサワーを指す。

 「はいよ~」。先刻から大きなザルに入った米をせっせと運び、酒を作り、食材を準備する白髪のハセガワさんが返事をする。

 「ハセガワさん、本当はお客さんなんです(笑い)。でも誰よりも店のことに詳しくて、誰よりも働いてくれる」とほほ笑む店主。「私、まだ現役で水道関係の工事をやってます。近頃の便器は重くってねえ。でもおかげさまで体重は50キロをキープしてます。ふぉっふぉっ」

 ハセガワさん、実は今日も夜勤明け。

 で、立ちっぱなし、飲みっぱなし、働きっぱなし…!

 片手には、ヘルシーな果実リカーではなく、ストロングゼロのロング缶。

 長寿大国日本をたくましく生きるお手本のような御大とともにハマの夕暮れにほろ酔った。(さくらい よしえ)

 ◆立ち飲み 日昇 最寄りは横浜市営地下鉄の阪東橋駅。看板は“立ち飲み”だが椅子もある。林秀欣さん(36)ら美人3姉妹が店を切り盛り。料理はいずれも横浜中華街仕込みの本格的な中国料理。「日昇サワー」は隣接しているスーパーで販売されている果物をふんだんに使用。夏にふさわしい爽やかな一品だ。神奈川県横浜市南区浦舟町1の1の13。電話番号は非公開。営業は午前9時ごろから午後5時ごろまで。「時間はお客さん次第で…」と林さん。年中無休。

 ◇さくらい よしえ 1973年(昭48)大阪生まれ。日大芸術学部卒。著書は「東京★千円で酔える店」(メディアファクトリー)、「今夜も孤独じゃないグルメ」(交通新聞社)、「きょうも、せんべろ」(イースト・プレス)など。

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