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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】下肢静脈瘤 圧で“足スト” オシャレに予防

[ 2019年9月11日 12:00 ]

生島ヒロシ
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「下肢静脈瘤(りゅう)」です。脚に青い静脈の筋が浮き出てくる病気。血液の流れが滞ることで発症しますが、それが筋肉内の静脈で起これば「エコノミークラス症候群」につながり命の危険もあり得ます。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。9月に入っても、まだ暑いですね。体調管理をしっかりとして、夏の疲れを残さないようにしましょう。

 さて今日は下肢静脈瘤です。脚の表面に青い筋が見えてないですか?クモの巣状に広がったり、血管がボコッと浮き出たりしてないですか?女性に多いですが、今回お話をうかがった順天堂大学の形成外科の先任准教授、田中里佳先生によると、男性も増えているとのことです。特に高齢者。肥満とも関係があるんですって。

 長時間の座り仕事、立ち仕事をする人に多いと言われるので、私も以前から気をつけてるんです。ラジオブースに長時間座ってますし、テレビやイベントの司会となれば立ちっぱなしですから。日本人の10人に1人が下肢静脈瘤というデータもあります。人ごとではないんです。

 【原因】静脈の弁に異常が起き、血液が逆流したり、停滞したりすることで発症します。脚の静脈は皮膚のすぐ下を流れる表在静脈、筋肉の中を通る深部静脈、この2つをつなげる交通枝と、主に3つに分かれています。それぞれ複数箇所に弁があります。この“逆流防止弁”は静脈にしかないもの。弁の異常は主に加齢ですが、肥満、女性なら妊娠・出産の影響もあるそうです。遺伝的要因もあります。

 【検査】まず問診。静脈が浮いていれば判断できます。脚がむくんでいないかもみます。あとは超音波検査(エコー検査)。ゼリーを塗って検査装置をあて静脈瘤がないかをチェック。痛みはありません。深部静脈の異常の検査では、足の甲の静脈から造影剤を注入しエックス線撮影を行うこともあります。

 【治療】軽度の場合には、脚を圧迫して血流を促すための医療用「着圧ストッキング」をはくことから始めます。普通のストッキングよりかなりきついため、はくのが大変なのですが、これが下肢静脈瘤治療の基本。敬遠する患者さんも多いので、田中先生は履き方のコツも指導するそうです。ただ着圧ストッキングでは静脈瘤は消えません。悪化防止の意味合いが強いです。

 静脈瘤をなくすには、硬化剤を注入し静脈瘤をつぶす「硬化療法」、静脈瘤ができた静脈を抜き取る「ストリッピング手術」、などがあります。いずれも日帰りも可能な処置。また進行すると皮膚に穴があく潰瘍が表れることもあります。外科的な治療が必要です。

 【予防法】ふくらはぎは第2の心臓。この言葉、聞いたことありますよね。動脈は心臓のポンプ機能で血液が全身に流れていきます。でも静脈の血液はなんとかして心臓に戻らないといけません。特に脚は血液を押し上げないといけない。重力にも逆らって。ふくらはぎの筋肉はポンプの役割。座り仕事、立ち仕事が続けば、なかなか筋肉を動かせませんよね。

 そこで簡単な運動がお勧めです。かかとと爪先を上げ下げして、ふくらはぎを刺激。これなら座ったままでもOK。あと、ふくらはぎを上に向かってマッサージ。ポンプを動かすのです。これも座ったままでできますね。

 田中先生がお勧めなのが、オットマン(足乗せ用ソファ)を使っての定期的な休憩。でもオフィスでは、両脚を高く上げるのも周囲の目が。それなら、ちょっとした小箱に足を乗せるだけでもいいんですって。

 私は、かかと爪先の上げ下げのほか、お風呂で足の指の間に手の指を入れて広げたり、グルグル回したりしてます。週3回はやりますよ。血流が良くなる気がします。

 ストッキングも大事ですね。私は五本指のロングソックスを重ねてはいてます。田中先生もストッキングを愛用しているそうですよ。診察も長時間、椅子に座ってますからね。足がむくんで眠れないこともあるそうです。ストッキングをはいて、脚の下にタオルなどを敷いて少し高くすると眠れるんですって。

 表面に表れる下肢静脈瘤は、即座に命に関わるものではありません。見た目の問題と言えるかもしれません。でも筋肉内部の深部静脈に異常が出れば話は別。深部静脈の弁が機能しなくなると血が滞って、血管周囲に水分が染み出します。それが脚のむくみにつながって、さらに血管内の血液を固まりやすくしてしまうのです。それが血栓です。この血栓が肺、心臓に達すると肺血栓塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群になるのです。血管が詰まって急死することもあり得るのです。深部静脈の異常は目に見えない分、怖いです。

 大切なのはストッキングやロングソックスをはいて、ふくらはぎを冷やさないこと。男がストッキングなんて、と言ってるあなた。スーツで脚を組んでも、すね毛が見えないという利点もあるんですよ。欧米のかっこいいビジネスマンはロングソックスはいてるじゃないですか。深刻な病気の予防になって、おまけにスタイリッシュ。いいことずくめですよ。

 《大学初の「足の疾患センター」》田中先生が勤務する順天堂大学医学部付属順天堂医院には今年4月、足の病気(膝を除く)を専門的に診療する「足の疾患センター」が開設された。「足の疾患センター」は日本の大学病院では順天堂医院が初めて。田中先生はその副センター長も務めている。形成外科、整形外科、皮膚科、血管外科などが連動し、足に関する治療が横断的に受けられる。田中先生は「下肢静脈瘤の患者さんも随分とお見えになっている」と話す。再発率が高いことから「ストッキングの重要性もしっかりご説明しています」という。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の68歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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