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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】歩いて足裏から刺激与え「巻き爪」予防

[ 2020年6月13日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(69)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は爪が丸まって皮膚に食い込む「巻き爪」です。予防には、歩くことが大切。さらに、爪の切り方も重要なポイントです。

 ◆コロナ禍でも散歩
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。新型コロナウイルスの緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ感染者の報告があります。注意していきましょう。今年の夏は各地で海水浴場が開設されないようです。それなら足元だけでもサンダル履きで涼しげに。でも「爪が丸まっていびつだなあ」と気になる。そんな人、多いんじゃないですか。そこで今回は「巻き爪」についてです。麻布整形外科クリニック(東京都港区)、新所沢清和病院(埼玉県所沢市)で治療に当たっている整形外科医の町田英一先生にお話を伺いました。

 爪とは「元々、丸くなる性質がある」そうです。でも全部が全部、巻き爪ではないですよね。これは足の裏から伝わる力が爪が丸まろうとする力を押し戻しているからなんですって(図<1>)。町田先生は「2年くらい寝たきりの人はほぼ100%、巻き爪になる」と指摘します。歩いて足の裏から刺激、圧力を加えないといけないということですね。

 特に高齢者は、巻き爪になる→爪が食い込んで足の指が痛くなる→あまり歩かなくなる→足裏からの刺激がなくなる→爪の巻く力が強くなる→さらに爪が食い込み痛みが増す→ますます歩かなくなる→巻き爪が進行。この負のスパイラルに陥ることが多いそうです。それに加えて今は、コロナ禍での外出自粛で、ただでさえ歩く機会が減っています。3密を避けての散歩は意識したいですね。町田先生は室内で簡単にできる運動として、椅子やテーブルを支えにして片足立ちをすることを勧めています。思い立ったらすぐできます。足の裏に圧を加えましょう。

 ◆「スクエア型」理想
 「巻き爪」は俗称だそうです。医学的には、爪の縁が肉に食い込むことを「陥入爪(かんにゅうそう)」と言います。陥入爪になると、痛いので爪の縁を切り込んでしまう。深爪ですね。町田先生によると「そこに生えてくる新しい爪は、さらに巻く傾向にある」そうです。皮膚が露出した部分は、爪による上からの圧力がなくなるため、盛り上がっていく。それが、さらなる巻き爪につながる。ここでも悪循環が起こります。

 では断ち切るためにはどうすればいいのか。町田先生は、食い込む爪の縁と皮膚の間にコットンを詰める「コットンパッキング」を勧めます。治療を受けるまで、痛みを和らげ深爪になるのを防ぐのです。

 治療法としては、外科的手術のほか、形状記憶合金のワイヤを巻き爪に通す矯正もあります。実は私、やってるんです。左右の足の親指が巻き爪でして。ずいぶんと正常な状態に戻ってきましたよ。

 町田先生は、爪の切り方についても注意喚起しています。図<2>を見てください。「正しい爪の切り方」です。推奨されているのはスクエア型。指の先端から1ミリくらい爪を残して真っすぐに切る。とがった両角は削る。爪が指の先端より長くないと、前述しましたが、爪の圧力がかからない皮膚が盛り上がってきて巻き爪になる可能性が出てきます。私は、指を横から見て、先端より爪が出ていることを意識して切ってます。上から見て切ると、どうしても切り過ぎてしまいます。正しく切ると、すぐ靴下が傷みそうですが、町田先生によると「むしろ靴下に穴が開くのが正常な切り方」だそうです。

 あと町田先生が指摘しているのは、巻き爪の痛みをかばって歩いたために転倒し、骨折で寝たきりになるリスクがあることです。「巻き爪は寝たきりの始まり」と言ってもいいですね。私も巻き爪を矯正し、今では1日6000~7000歩歩いてます。体調もいいですよ。人生100年。しっかり歩き続けるために、爪にも注意していきましょう。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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