スポニチキャンパス

【松山学院高 自転車競技部】男子総合5連覇へ全開ペダル!! 26日開幕の全国高校選抜大会

[ 2024年3月5日 07:00 ]

松山学院高の自転車競技部メンバー
Photo By 提供写真

 高校自転車競技で全国屈指の実力を誇るのが松山学院高(愛媛・松山市)だ。昨年8月の全国高校総体(インターハイ)では、男子学校対抗総合連覇の最長記録を「6」に伸ばした。今月26日に開幕する全国高校選抜大会は、トラックを含めた総合成績で男子は5連覇を目指している。

 自転車競技部の部室入り口に「三流はレース直前で緊張し、二流は想定外の展開に緊張し、一流は緊張がなくなるまで練習する」と書かれた紙が貼られている。また、室内に目を移せば「学校の全生徒全職員に愛される部であれ」の文字が飛び込んでくる。「人間力なくして競技力の向上はなし」を掲げ、全国制覇やインターハイ優勝という具体的な目標よりも基盤となる姿勢を示す考え方が現在の強豪校を形作ったのかもしれない。

 練習環境は恵まれている。温暖な気候に学校から程よい距離に山道が控えている。悪天候でなければ、授業後12キロほど自転車をこげば自然と坂道に入り絶好の足腰鍛錬ロードが広がる。延々と続く上り坂が選手たちの実力を高めているのは間違いないだろう。

 26日に開幕する全国選抜自転車競技大会の4キロ速度競走、ロード・レースに出場する阿部倭(2年)は「あっと驚かせられるような走りで勝ち切りたい」と、初めての全国大会の舞台に胸を躍らせる。4キロ速度競走は高体連ならではの競技種目で、定められた本数をバンクのホームとバックで先頭通過しなくてはならない「先頭責任」と呼ばれるルールがありゴール順よりも先頭責任完了の有無が最優先されるのが特徴の競技だ。中距離レースの4キロ速度競走に対して男子個人ロード・レースは約80キロの長丁場。「ロード・レースは個人戦だけどチームでいろいろ作戦を練りながら走ります。大きい大会はチームで話し合って、誰が最後行くかとかベースを決めながら(レース)途中は風の抵抗とかも考えて走ります」

 阿部の将来の夢は「海外のロードレースに出場する」こと。自然の風景に囲まれながらスピード感あふれる走りで風を切っていく。「高校生最後の一年なので、お世話になった人やレースでよくしてもらった人にしっかりお返しして感動を届けられるレースをしたいです」と、全国大会デビューの意気込みを話した。

 ▼松山学院高自転車競技部 2016年(平28)、愛媛県内で3校目の自転車競技部として創部。17年(平29)には愛媛県総合体育大会、四国高校総合体育大会で個人および団体で優勝、インターハイに5人が出場。創部2年目にしてインターハイでトラック・ロード・総合の3部門で優勝(史上初)を果たした。18年(平30)、アジア自転車競技選手権男子ジュニアロードで優勝。インターハイは松山城南時代の17年から23年(令5)まで6連覇中(20年は新型コロナまん延で中止)。部員は、3月時点で男女合わせて20人(1、2年生)。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る