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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】肺MAC症 日常のどんな場所にもいる菌で最悪死に至ることも

[ 2019年6月12日 12:00 ]

生島ヒロシ
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「肺MAC(マック)症」です。聞き慣れない病名ですが、実は水や土の中などどこにでも存在するMAC菌に感染して発症。肺に穴が開いて重症化すると死亡することもあります。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。ジメジメした梅雨。健康を意識して、気持ちだけはパーッと晴れやかにいきましょうよ。梅雨はカビの季節でもありますね。お風呂掃除もおっくう。今日はそんなお風呂掃除とも関係のあるお話です。

 「肺MAC症」って、ファストフードのようなネーミング。その名の通りと言いますか、原因となるMAC菌は自然界では珍しくない菌で、私たちが日常動き回るどんな場所にもいるそうです。

 特に浴槽の出水口や排水溝、あと土の中に多いといわれています。暖かい、湿った場所を好むからだそうです。でも、お風呂掃除しないわけにもいきませんよね。この注意点については後ほど。
 【原因】MAC菌は水や土の中に棲息。菌が棲む水が水蒸気になって、それを吸い込む。土ぼこりの中で長時間過ごして、空気中に漂いだした菌を吸い込むなど。成人の30%が感染しているというデータもあります。

 MAC菌は体の中に入っただけでは発症しません。私が親しくさせてもらっている半蔵門病院(東京都千代田区)副院長でアレルギー・呼吸器内科が専門の灰田美知子先生は、(1)体力が落ちている(2)糖尿病など生活習慣病がある(3)ステロイド系の薬を服用して免疫力が落ちている、などが発症につながると指摘していますが、はっきりした原因は分かっていません。中高年の痩せ形の女性、結核にかかったことがある人、タバコを吸ってタバコ病(COPD)と言われている人に多いともいわれています。

 【検査】症状が現れずに進行していくケースもあって厄介ですが、通常は痰(たん)が出る場合が多く、血が混じることもあります。空咳(からぜき)も出ますが、その他、体重減少、微熱、食欲低下、息切れなどもみられます。咳や痰が出続けたからといって必ずしも肺MAC症ではありませんが、灰田先生は「2カ月も続くようなら呼吸器内科で診察を」と強く勧めます。まず肺のエックス線撮影。疑わしい影が出たら痰を調べます。痰の検査で2回、MAC菌が検出されたら肺MAC症と診断されます。

 【治療】実はMAC菌は結核菌の仲間です。ちょっと恐ろしくなりますが、MAC菌は結核菌と比べて性質がかなり穏やか。人から人へ感染することはありません。だから結核のように専門の病棟に入院することもありません。通常は通院で薬物治療です。病気の進行が遅く治療期間が長いため、長期間、薬を服用する必要があります。副作用が出る人もいるので、医師としっかり連携しないといけませんね。軽い方、ご高齢の場合などは、薬の治療をせずに定期的に通院だけと指導される場合もあります。肺に穴が開くこともあります。この場合は外科的手術を行うこともあります。

 【予防法】まずお風呂掃除。マスクしてやりましょうよ。それも細菌の空気感染のリスクが低減するといわれている「N95マスク」を使ってみてはどうですか。換気もしっかりしたいですね。窓があれば開けて、換気機能付きの浴室ならONにして。シャワーをジャージャー流しながら洗うのも駄目ですよ。水しぶきが立ってしまいますからね。洗剤などを流す時は、洗面器に水をためて流しましょう。

 あとシャワーヘッドの中も要注意です。ここもMAC菌にとっては居心地のいい場所。取り外せるタイプもありますから、一度トライしてみましょう。

 水や土など、身近なところにいるので環境常在菌とも言われています。ガーデニングや農作業も気をつけて。やっぱりマスクは必需品。土ぼこりを吸わないためです。手袋も着けた方がいいですね。

 以上は日常の家事でMAC菌を取り込まないようにするヒント。でも、そこら中にいるわけですから、いつ体の中に入ってもおかしくありません。じゃあ、発症しないようにしましょうよ。MAC菌が悪さをし始めるのは、体力がなかったり、免疫力が低下している時。まずは体力をつける食事ですね。灰田先生は免疫力を高めるためタンパク質、新鮮な緑黄色野菜、果物を取ることを勧めます。タンパク質は標準体重60キロなら、最低でも1日60グラム取る必要があるということです。でも、肉を60グラム食べればOKというわけではないんですって。タンパク質が豊富な食材でも、その成分は食材の5分の1といわれているそうで、60グラムならその5倍の300グラム食べないと駄目なんですって。

 灰田先生は、免疫機能低下を招く「副腎疲労」にも注意を促しています。副腎は左右の腎臓の上にある臓器。長期間ストレスにさらされたり、治療のためステロイドを使わざるを得なかった場合、その後に機能が低下することもあるんですって。肺MAC症を発症させないためにも、この副腎を正常に保たないと。副腎疲労の回復には乳製品や白米は避けた方がいいそうです。牛乳より豆乳、チーズより豆腐、白米より五穀米という感じで。副腎疲労については、また後日お話しします。

 私は体力、免疫機能維持のために、とにかく体を冷やさないようにしています。夏でも携帯カイロを使ったり。あとは乾布摩擦。血行が良くなってポカポカします。別に裸になってタオルでこすらなくてもいいんですよ。服の上から手でやったっていいんです。

 肺MAC症は1年間で約8000人が新たに発症して、約1000人が死亡しているそうです。特に最近、40~50代の主婦が増加。灰田先生いわく、夫や子供においしいものを食べさせるけど、自分の食事には無頓着で痩せている人が多いそうです。お父さんたち、奥さんの食事に気を使ってあげましょうよ。あと、お風呂掃除も交代でね。

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