こだわり旬の旅

【佐賀・唐津】衝撃のおいしさ!コリコリ絶品「呼子のイカ」に舌鼓 食後は七ツ釜洞窟へ絶景クルーズ

[ 2024年7月6日 16:00 ]

透明で光り輝く呼子のイカ。コリコリして最高の味わいだ
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 イカの活き造りを代表する「呼子のイカ」が旬と聞いて、佐賀県唐津市の呼子町(よぶこちょう)を訪ねた。3~10月が食べ頃というケンサキイカの透き通るような身とコリコリした食感は、まさにイカの刺身の“王様”。近くには、天下統一を果たした豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に築いた「名護屋城跡」もあり、食と歴史で“てっぺん気分”を味わった。

 クリスタルのように透き通った身がキラキラ輝き、まだ生きているのか、時折10本のげそがはねる。1999年の「新さが百景」に選ばれた、全長728メートルの呼子大橋を渡って約10分の加部島にある活魚料理店「かべしま」で注文した呼子のイカ(税込み3400円)。呼子ではケンサキイカをヤリイカと呼び、メニューではヤリイカとなっているが、れっきとしたケンサキイカだ。

 この日は小ぶりだといって巻き簀の上に2杯並んだが、それでも全長約30センチと約25センチの立派なボディー。たまらず細く切られた身を口に運ぶと、コリコリとしてみずみずしく、ねっとりした甘みもあり、これまでに味わったことのない食感。げそは天ぷらにしてくれたが、あっさりした口当たりで、どちらも衝撃のおいしさだ。

 同店店長によると、呼子のイカがおいしいのは、沖合を対馬暖流が流れ、リアス海岸の海に川から流れる栄養が注がれるから。水揚げされたイカは岸壁にある生け簀に入れられ、すぐに各店舗に運ばれるのでとても新鮮。イカの身の輝きはその証。窓ガラス越しに広がる玄界灘の絶景もアシストしてくれた。

 おいしいといえば、午前中に歩いた呼子朝市でも体験した。日本三大朝市の一つといわれ、約200メートルの間にイカ焼きや魚の干物、野菜などを売る店や露店が約50軒並ぶ。その中で、昨年12月にオープンした「Whale Brewing 呼子クラフトビール醸造所」でペールエール(700円)と、呼子のイカの老舗「河太郎」のイカカツ(500円)を味わったが、柔らかで香ばしいイカカツにさわやかなペールエールはピッタリ。ビールはほかに3種のホップの苦みがクセになるIPA、フルーティーなヴァイツェンを醸造。奥さんと共に千葉県から移住したという所長の近藤健一さんは「大好きな呼子のためにイカ墨を使ったビールを考案中」と意気軒昂。新たな名所となりそうだ。

 お腹が膨らんだ後は、七ツ釜遊覧船「イカ丸」(乗船料2000円)で玄界灘を約1時間クルーズ。七ツ釜は長い年月をかけ荒波が作りだした7つの洞窟で、国の天然記念物に指定されている。最大の洞窟は間口3メートル、奥行き110メートルもあり、船はその中まで進行。周囲は玄武岩の柱状節理の岩で覆われ、天井は岩が突き出たような景観で迫力満点。呼子のイカ同様、大自然が作りだした芸術といえそうだ。

 ▽行かれる方へ 佐賀空港から車で約1時間40分。呼子朝市は午前7時半~正午。遊覧船は海中展望船「ジーラ」も。問い合わせはかべしま=(電)0955(82)5187、呼子観光案内所=(電)同3426、マリンパル呼子=(電)0120(425)194。

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