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【橋本マナミ 恍惚のグルメ】パンパンの肉団子はカリッの先に

[ 2019年9月4日 12:00 ]

バーのカウンターで肉団子を食べる(撮影・久冨木 修) 
Photo By スポニチ

 2014年10月に旅やグルメなどの総合レジャー情報面「超刊スポニチ」がスタートして、今月で丸5年。来年の東京五輪に向けて来月から新企画を始めるため、連載を終了します。開始時からの長期連載となった橋本マナミ(35)の官能的食べ歩き企画「恍惚のグルメ」もこれが最終回。東京・神楽坂で見つけた大人の隠れ家「jiubar(ジュウバー)」です。

 神楽坂下の交差点から3分。目抜き通りに面してはいますが、看板がないので、どこにあるのか分からない。

 エレベーターもない雑居ビル内へ入ると、1階ポストに小さく「jiubar」とある。階段で3階へ。すると、鉄のドアに「クラフトジンいかがですか?」の文字。

 「隠れ家みたい」ではなく、完全に「隠れた店」。同行した担当記者さんに「ホントにここ?」と確認したほどで、無機質な扉を開けるのに少し勇気がいりました。

 それがドアを開けると別世界。スタイリッシュなカウンターとテーブル席に広々としたオープンキッチン。こんなサプライズな店に連れて来られたら、それだけで好感度グ~ンとアップです。
 しかも、本当の驚きはここから。看板はないけど“看板メニュー”があるんです。

 「ジュウバーの肉団子」680円。リーズナブルなのに「こんなの初めて!」って叫んでしまったほどおいしい。外のカリッとした食感が抜群で、中のミンチ肉は肉感たっぷり。ソースが絶品で、四川の伝統的な調味料・魚香(ユイシャン)にトマトペーストを合わせ、青山椒(さんしょう)の爽やかな香りが漂います。肉団子の定番の甘酢ソースじゃないんです。

 ただのBARじゃありません。店主は東京・青山などにある中華料理の名店「希須林」で腕を磨いた川上武美さん。ユニークな店名は中国語でBARを表す「ジュウバ」から名付けたそうで、その確かな手仕事をカウンターから眺めながら飲むお酒は格別です。薦められたのは、サントリーのクラフトジン「ROKU」。香り豊かでスパイシーなのにまろやか。肉団子との相性も抜群です。

 続いて「レバニラ」980円。こんなに肉厚でシャキシャキ感たっぷりのレバニラは初めてです。豚レバーを揚げてから炒め、その後でニラだけ炒めてレバーの上に盛るからこそ、なせる味。

 「米茄子の回鍋肉」1380円。揚げた茄子(なす)とキャベツを焼き、炒めた豚肉とネギに絡み合う濃厚なタレ。お酒は進み、食欲はもう止まりません。

 シメは「中華屋のカレー」680円。あめ色になるまで炒めたタマネギや数々のスパイスに四川の唐辛子も使った独特の中華味とまろやかさは他にはない味。肉団子も回鍋肉(ホイコーロー)もカレーも、小さい頃から慣れ親しんでいる献立ですが、どれもが私の想像をはるかに超える“恍惚の味”でした。

 まだお仕事が少なかった5年前から休まず続けてきた連載。お別れに思わず泣いちゃったくらい、毎回本当に楽しい取材現場でした。今では芸能界で一番、ゆで卵をセクシーに食べられる人になれました(笑い)。大好きなスポニチの読者の皆さま。また、いつか紙面でお会いしましょう。5年間ありがとうございました!

 ◆jiubar(ジュウバー) 東京都新宿区神楽坂2の12、神楽坂ビル3階。(電)03(6265)0846。飯田橋駅から徒歩3分。営業時間は午後5時~深夜1時(ラストオーダー深夜0時)。日曜祝日定休。豚タンと紫のサラダ(1200円)も人気。クラフトジンではリンゴを使った香り豊かな「ルージン」(1200円)、毎月替わる「今月のクラフトビール」(980円~)、ウイスキー「グレンフィディック」(680円)などもお薦め。

 ◆橋本 マナミ(はしもと・まなみ)1984年(昭59)8月8日生まれ、山形県出身の35歳。映画「地獄少女」(11月15日公開)に骨女役で出演。1メートル68、B86・W60・H88。

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