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【だから元気!】石井ふく子氏 93歳まだまだ現役!食が生み出す“幸楽”生活

[ 2019年9月6日 12:00 ]

「おにぎりは丸く握ります」と話す石井ふく子氏(撮影・会津 智海)
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 90歳を超えてもドラマの第一線に立つ石井ふく子プロデューサー(93)。生涯現役の言葉がピッタリな石井氏の元気の源は「食」。心も体も活力がアップする石井流の向き合い方を聞いた。

 私の一日はキッチンに立つことから始まります。一つのことに集中するからでしょうか。料理を作り終わると、頭がスッキリするんです。ドラマの構想が浮かんでくることも多くて、せっかくのアイデアを忘れないように慌てて(脚本家の)橋田(寿賀子)さんに電話することもありますね。

 出かける前に作るのは、ドラマの撮影現場への差し入れです。俳優さん、女優さんの顔を思い浮かべながら野菜を刻んだり、卵焼きを作ったり、おにぎりを握ったり。タイミングの良い時に時折させていただいています。リフレッシュして、いろんなことを想像できるぜいたくな時間です。

 何十年にもなるのかしら。「渡る世間は鬼ばかり」の撮影が始まったころ、5歳だったえなり(かずき)君がもう34歳ですからね。休憩中も長ぜりふと格闘して食事を取れない出演者の方々がいたので、少しでも食べて力になってもらえればと始めたのがきっかけでした。おにぎり1、2個、おかず2~4品を1人分としてお弁当箱に詰めます。それを20個ぐらい作ってお配りしています。おにぎりは大きめの具を包み込むイメージなので、私のはいつも丸形です。

 記者さんもお一ついかがですか?今日のおかずは卵焼き、しらたきのタラコあえです。おにぎりの具は焼きタラコです。えっ、おいしい?ありがとうございます。私好みに作っているので、少し恥ずかしいですが。卵焼きを気に入っていただけたようでうれしいですね。しょう油に砂糖、みりんを少し入れて、ちょっとだけ甘みを出して少し焦げるくらいにしっとり焼いています。

 幼い頃、食事を作ってくれた祖母の影響で味付けは控えめ。素材にはこだわって、自分でおいしいと思ったものを使っています。「明日は何ですか?」って楽しみにしてくれる方がいるのは励みになりますね。それに食べ物がテーマになると話が弾みます。同じ場所で同じ物を食べると心の距離が縮まる。これが仕事にも生きていると思っています。

 私が食べているものを聞かれることも多いですが、偏食なんですよ。昔、スタジオで大きなネズミと出くわしてから何となくナスが似ているように見えて食べられないとか、いろいろ嫌いなものがあるんです。だから栄養のバランスとか、そういったものにはうるさくない。ストレスなくおいしいものを食べられたらいいと思っています。基本的に和食で、朝食はご飯とサケ、卵焼き。酢の物がいいと薦められたので最近は食べています。好きなものを食べる幸せっていうのも活力になっていますね。作るのも食べるのも私にとって大切な元気の源です。

 食は生活の中で大きなものです。私が作るホームドラマには必ず食卓のシーンがあります。仲睦まじく話が弾む時もあれば、怒って中座してしまう時もある。その日の気分次第で箸が進む時もあれば、進まない時もある。そこで物語が展開していくんですね。心にも体にも力をくれる食。いろんな角度から大切にしていきながら、これからもドラマを作り続けていきます。

 《女優奈良岡朋子ら、ご近所さんにもお届け》石井氏は同じマンションに住む女優奈良岡朋子(89)に食べ物を届ける時もあるという。「奈良岡さんがお料理を全然なさらないのでたまに“今日はお寿司が食べたいわ”とか、“天丼がいい”とかリクエストが入るんで調達してドアノブに掛けておきます」と近い関係を語る。また、若尾文子(85)も同じマンションに住んでいて「好きなカレイの煮付けを作ってお持ちしたりしています」という。ここでも食べ物の話題でコミュニケーションを取り合っている。

 《「渡鬼」3時間スペシャル 16日午後8時から放送》TBS「渡る世間は鬼ばかり 3時間スペシャル2019」が16日午後8時から放送される。2人合わせて187歳の名コンビの代表作は30年目を迎え、今回が511回目となる。中華料理店「幸楽」の担い手が娘夫婦となったため、居場所がなくなった五月(泉ピン子)がスマートフォンを使って料理を紹介する動画配信を始める。石井氏は「五月が世代交代と新しい時代を迎える姿を中心に描いています」と話している。

 ◆石井 ふく子(いしい・ふくこ)1926年(大15)9月1日生まれ、東京都出身の93歳。父は新派俳優の伊志井寛。母は小唄の家元で浅草の売れっ子芸者だった。61年にTBS入社。プロデューサーとして「肝っ玉かあさん」「ありがとう」など人気ドラマを数多く制作。舞台演出も手がける。85年「テレビ番組最多プロデュース」14年「世界最高齢現役テレビプロデューサー」15年「最多舞台演出本数」でギネス世界記録。89年紫綬褒章。

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