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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】快適な夏を過ごす現代人が陥りやすい「秋バテ」は保温で解消

[ 2021年10月15日 12:00 ]

秋バテ対処法の一例
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「秋バテ」について取り上げます。夏の暑さが落ちついて過ごしやすいはずの秋口に、体がダルく、胃腸の具合も悪い。現代人に多い、この症状への対処法です。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。朝晩は涼しくなって、快適な季節になりました。でも何だか疲れが抜けなくて、食欲もない。そんな人、いませんか。それ「秋バテ」かもしれません。夏バテほど言葉としては浸透してませんが、こんな症状を訴える人が増えているんです。きょうは、帯山中央病院(熊本市)理事長で漢方内科医、麻布ミューズクリニック名誉院長の渡邉賀子(かこ)先生にお話をうかがいました。

 「私たち日本人の体は夏の暑さに順応するため、夏は冬に比べて基礎代謝が1割ほど低く、快適な温度も3度高いと言われています。でも現代は、その体が5月から9月ぐらいまで冷房で冷やされます。この寒冷ストレスと暑い外との寒暖差が重なり、消化機能や免疫力を低下させて秋バテとなっていると考えられます。夏場に冷房や冷たいものの飲み過ぎで体を冷やすことと寒暖差が、秋バテの原因なのです」

 症状は3つに分けられます。まず、眠れない、疲れが抜けない、意欲が湧かない、と自律神経に関わってくるもの。次に、食欲がない、便秘・下痢をするなど消化器系に関するもの。最後に、風邪がなかなか治らない、咳(せき)が長く続くなど呼吸器系へのダメージです。

 「夏場に冷たいものをたくさん飲むと、体を内側から冷やします。消化酵素は、私たちの深部体温と同じ37度で働きやすくなると言われています。結果として、消化に時間がかかり、消化不良につながっていくのです」と渡邉先生。「夏バテは虚弱体質の人がなりやすい。一方の秋バテは、夏は決して苦手ではなく乗り切れるという普通の人が多い。夏は冷房で快適という現代人が陥りやすいのが秋バテなのです」とのことです。

 今年は、東京では10月になってもまだ30度近い日があり、昼夜の寒暖差が大きい。そんなこともあって、渡邉先生の病院には秋バテの患者さんが多いんですって。新型コロナウイルスの影響も考えられるそうです。「この夏は冷房の効いた家にいることが多く、楽しみと言えば食べること。しかも、あまり動かない。胃腸に負担がかかっているのです」とのことです。

 では、秋バテにはどのように対処したらいいのでしょうか。漢方の専門医でもある渡邉先生は、診察の時、必ず患者さんのおなかを触るんですって。おなかが冷えている人が本当に多いそうです。

 「気温が下がってくるこの時季は、保温することが大事です。日中は暑くなることがあるので、上着を着たり脱いだりで調節しましょう。下半身は特に冷えやすいので、靴下で保温。街中にはまだ素足という女性が多いですが、しっかり温めましょう」とのことです。

 渡邉先生は、お風呂で湯船に漬かる効果もあげます。「38度から40度ぐらいのお湯に漬かりましょう。これは体が気持ちいいと感じる温度。目安は10分ほど。交感神経の緊張が緩んで、副交感神経が優位になり、末梢(まっしょう)の血管が開いていきます。血流がよくなれば、体の隅々まで栄養が行き渡ります」。お風呂は最高のリラックスタイムですもんね。いつもシャワーで済ませている人は、ぜひやってみましょう。

 あとは何といっても食べ物。先ほど、深部体温と同じ37度ほどが消化にはいいという話題が出ました。つまり体を温める食材がいいということ。渡邉先生のオススメは、まずショウガです。「ショウガは健胃生薬。胃腸の機能を高めてくれます」。秋バテで胃が弱っている人は、うどんやおかゆにショウガのおろし汁を入れるのもいいそうです。

 次は山椒(さんしょう)。ウナギのかば焼きに振りかけるイメージしかないのですが…。「山椒は漢方の重要な生薬。胃腸を温めて動きをよくする効果が期待できるのです。みそ汁に入れたり、きんぴらに振りかけたりと、毎日の食卓に取り入れてください」とのことです。なすやトマトは栄養がありますが、体を冷やす夏野菜は避けた方がいいそうです。「秋なすは、嫁に食わすな」なんて言葉もありますしね。お嫁さんの体を気づかう姑(しゅうとめ)さんの優しさから生まれた、とも言われています。

 渡邉先生は、舌を鏡でチェックすることも勧めます。「表面に白い舌苔(ぜったい)がついていたら、胃腸の働きが悪い。秋バテのサインです」とのことです。

 コロナだけでなく、インフルエンザの心配もしないといけない季節になりました。体を温めて、滋養のあるものを食べて、秋バテを解消しましょう。

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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