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理想の睡眠姿勢“仰向け” よこむき、うつぶせ派に“睡”薦 自律神経整う真向法の呼吸法

[ 2022年12月16日 05:30 ]

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(71)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、理想的な睡眠の姿勢と、それに近づく呼吸法についてです。

 ≪体への負担少なく血流もスムーズ≫皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。朝晩ずいぶんと冷え込んで、布団から出たくない、という季節がやってきました。新型コロナウイルスだけじゃなく、インフルエンザもあります。睡眠をしっかりとって、免疫力を高めたいですね。今日は、その睡眠の取り方、といいますか、理想的な睡眠の姿勢について考えます。横浜市にあるアンポ接骨院院長で、スパイラルテーピング協会理事の安保純一先生にうかがいます。

 仰向け、横向き、うつぶせと、それぞれ寝心地のいい姿勢があると思うのですが、どうなんでしょうか。
 「寝るときだけでなく“よい姿勢”というのは、その姿勢で長時間いても疲れや痛みが生じないものです。睡眠に不満がある方は、姿勢が崩れていることが多いです。睡眠の悩みで接骨院に来院される方もたくさんいらっしゃいます」

 寝るときはこの姿勢が一番、というのはありますか。

 「体の構造から考えると理想は仰向け。立っている時と同じ姿勢が、体に負担が少なく楽だからです。背骨がS字カーブを描いて体圧が分散され血流がスムーズになり、疲労回復の効果も期待できます」

 横向きやうつぶせでないと寝られない、という方もいると思うのですが。

 「枕に顔をつけることになるので、汗腺がふさがれてしまう。そうすると肌のトラブルにつながります。皮膚には、バリア機能、分泌作用、体温調節など大切な機能がありますから」
 なるほど。仰向けがよさそうですね。

 「仰向けだと寝にくいという方が、仰向けで寝られるようになると期待できる呼吸法があります。真向(まっこう)法という健康法の呼吸法です」

 安保先生、ぜひ教えてください。
 「まず、仰向けに寝てください。両手をおへその上に置きます。大きく、ゆっくり口から吸って、口から吐く。これを3回。次に、両手を下にずらし、おへそと恥骨の間に置いて、同じように3回。最後は両手を恥骨の上に置いて、今度は鼻から吸って口から吐く。これを7回。1日1セットでもいいです」

 器具も何もいらないですし、すぐに始められますね。

 ≪枕は首に当てない下腹部冷やさない≫「真向法の呼吸法で横隔膜を上下に調整することによって、内臓の位置と自律神経が整います。肺だけは自分の意思で調節できる臓器ですので、ぜひ試していただきたい。この呼吸法をやっている間に、スーッと寝てしまう方もいらっしゃいます」

 真向法の呼吸法をイラストにしました。参考にしてください。

 枕の高さはどうですか。

 「これも重要です。仰向けに寝る場合、厚手のタオルを4つ折りにして、それを後頭部に当てて寝てみる。これが理想の高さと考えられています。意外と高くないので、慣れないと寝にくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません」

 試してみます。

 「注意していただきたいのは、枕を当てるのは後頭部だけ。首には当てないようにしてください」

 どうしてでしょうか。

 「首筋を圧迫すると、全身の筋肉が硬くなるからです。これは科学的にも証明されています。首が支えられていないと不安かもしれませんが、これも慣れです。厚手のタオル4つ折りの高さの枕を後頭部に当てて寝て、肩凝りが治ったという方もいらっしゃいます」

 これから寒くなります。ほかに安保先生お勧めの安眠法はありますか。
 「下腹部を冷やさないことですね。腹巻きでなくてもいいんです。キッチンペーパー1枚、下腹部に当てて寝るだけでも、ずいぶんと冷えが解消されます」

 これも手軽。今日から始められますね。

 睡眠は健康の基本。実は私は、いびきと逆流性食道炎の対策で、右側を下にする横向きで寝ているんですが。

 「それが楽でしたら、それでいいと思います」

 絶対に仰向けで寝ないといけない、ということではないんですね。
 さて、今年は今回で最後となります。来年もいろいろと健康情報をお届けしますよ。少し早いですが、皆さん、よい年末年始をお迎えください。

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の71歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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