このゆびと~まれ

【第53回】難しい

[ 2021年3月1日 05:00 ]

多賀井先生から焼き物の工程について教えてもらっています
Photo By スポニチ

 前回は6年生の卒業制作の一環で行われる書道についてご紹介しました。

 今回は、陶芸です。こちらも4年ほど前から岬町に工房を開いておられる多賀井正夫先生のご協力を得て、焼き物作りをしてきました。

 実は岬町は焼き物の歴史も古いんです。岬町のある泉州地域は良質な粘土が採取でき「谷川瓦」は有名です。

 町内は伝統的なたたずまいを残し、現在も谷川瓦がふかれた町並みは歴史を感じさせます。

 子どもたちの住む深日(ふけ)地区も昭和30年頃までは「深日焼き」と呼ばれる焼き物の産地で、たくさんの焼き窯があったそうです。しかし残念ながら現在は、その面影はありません。

 多賀井先生は岬町の美しい自然や海にひかれ、歴史や文化を感じながら創作を続けられています。そんな先生からアドバイスをいただきながら陶芸にチャレンジしました。

 陶芸教室では多賀井先生から作品への思いや個展の話、作成の工程など、陶芸家という職業の紹介も含めていろいろなお話をしていただき、子どもたちも興味津々でした。

 そして実際に作り始めてみると、これが本当に難しいんです。

 ついつい必要以上に触ってしまうことで、手の体温から土の乾燥が始まり、ひび割れてしまうんです。

 バランスや土の厚さの調整、思ったようにならないのは当然わかってはいましたが、これほどまでとは…。

 手早くやらないといけない難しさにもぶつかりました。

 しかし、書道も陶芸の時も、子どもたちは集中すると本当に静かになって、数分のうちに感覚をつかんでいくんです。

 多賀井先生もおっしゃっていましたが「子どもってすごいなあ」と思える瞬間です。

 子どもたちが作った作品は、釉(ゆう)薬を塗り、工房で焼いていただき卒業制作の一つになります。

 思い出の陶芸品だけに、大切に使い続けてほしいですね。

 今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。

               (岡田 良平)(次回掲載は8日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る