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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】コロナ自粛と男性ホルモンの関係、運動・娯楽・睡眠で更年期障害防ごう

[ 2021年7月16日 12:00 ]

男性の更年期障害セルフチェック
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「コロナ自粛と男性ホルモンの関係」について考えます。最近「笑わない」「疲れやすい」「眠れない」という人は注意してください。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。東京五輪も開幕カウントダウン。でも東京は4度目の緊急事態宣言。招致が決まったとき、こんな状況で五輪を迎えるなんて、誰も想像していませんでした。自粛ムードも続きます。そんな中、いま「新型コロナの自粛生活が長引き、男性ホルモンが減少している」と言われているんです。気になりますよね。日本メンズヘルス医学会理事長で、順天堂大学大学院教授、泌尿器科が専門の堀江重郎先生にお話を伺ってきました。

 堀江先生はまず「笑わなくなった、疲れやすくなった、夜眠れない。最近、この3つに思い当たる節はありませんか?」と問いかけます。「これらは、男性ホルモンの95%を占めるテストステロンが減少している可能性を示す、象徴的な3項目です」とのこと。

 「テストステロンは“社会性ホルモン”とも言われ、他の人との交流で高くなります。周囲から評価されたり、褒められたり、順位がつくゲームに参加したり、自分自身を表現したり。家にずっといると、ホルモンが下がります」。まさに今のコロナ自粛、リモートワークに当てはまりますね。

 ホルモンの減少といえば、更年期障害をイメージします。更年期障害は女性のもの、なんて思っていませんか。そんなことないんですよ。「女性は閉経後、例外なくホルモンが下がります。これは生物学的に決まっているんです。一方で男性は、定年など社会から離脱すると下がります。男性の更年期障害は、社会的なものなのです」と堀江先生は説明します。

 男性ホルモンが高い人は長生きで、病気にもなりにくいというデータもあるそうです。コロナ下で男性ホルモンが下がっていることから、堀江先生によると「コロナ収束後に、がん、心臓病、脳梗塞などが増える心配があると言われている」そうです。

 テストステロンが大きく影響する男性更年期障害のセルフチェックを掲載します。スコアが50点以上の場合、医師の診察が勧められています。日本メンズヘルス医学会の公式サイトに専門医がいる病院の一覧があります。参考にしてください。

 テストステロン、上げたいですよね。では、どうすれば上がるのでしょう。堀江先生は次の3つを勧めます。

 (1)運動 「筋肉を使うとテストステロンは一度下がりますが、その後、上昇します。ある程度疲れが出る運動。ウオーキングよりスロージョギング。自宅で、自分の体重を使った自重筋トレをするのもいいでしょう。特にスクワットがお勧めです。道具も何も要りませんから」

 (2)娯楽 「仲間と過ごすことです。将棋や囲碁、カードゲームなどもいいですね。オンラインゲームでも効果があります。順位がつくものは、テストステロンを高めるからです。今の時期は少し難しいかもしれませんが、ボランティアをやったり、行きつけの居酒屋をつくったり、人と交流することは大事です」

 (3)睡眠 「テストステロンは眠っている間につくられます。特に午前1時から3時に多くつくられるので、夜更かしは禁物です。テストステロンは副交感神経のときに出るので、交感神経を刺激する就寝前のパソコン、スマホなどはよくありません」

 あと、姿勢もテストステロンと関係があるんですって。胸を開いて、肩甲骨が後ろに出っ張る姿勢。これがいいそうです。「ライオンを思い出してください。獲物を狙うとき、茂みに隠れて、肩甲骨を突き出すようなポーズをしているでしょう?戦闘態勢に入っているからです」と堀江先生。言われてみれば、その通り。いまにも獲物に襲い掛かりそうで、いかにもテストステロンが出ていそうですもんね。

 私は70歳になりましたが、ありがたいことに更年期という自覚はないんです。毎朝、ラジオの生放送があるので落ち込んでもいられない。「生島さんのおかげで元気がもらえた」と言ってくれるリスナーの存在も大きいですね。今は60代、70代になってから親の介護で悩む人も多い。この年代の男性に更年期が起きやすい背景かもしれません。

 コロナ下でも、健康で前向きな気持ちでいることが大切。たまには奥さんも「今日は素敵ね」なんて、お父さんのことを褒めてあげてください。そうすればテストステロンも上がるんですから。このまま何十年も自粛生活が続くわけではないでしょう。人生100年。コロナ後のことも考えて、少しでもテストステロンを上げときましょうよ。

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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