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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】「くも膜下出血」…冬の入浴いきなり“ザブーン”はNG

[ 2020年1月11日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(69)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は脳卒中の一つ「くも膜下出血」です。突然頭部に激痛が走り、約2割が突然死となるといわれています。冬場は寒暖差で血圧が急激に上下することが多いので、特に注意が必要です。

 《軽度の頭痛繰り返すようなら要注意》皆さん、明けましておめでとうございます。生島ヒロシです。いよいよ東京五輪・パラリンピックの年が始まりました。私たちも健康な体で本番を迎えましょう。

 インフルエンザが猛威を振るってますね。前回の連載を読み返して、しっかり予防してくださいね。さて今回は、この季節やはり注意が必要な脳卒中。その中の「くも膜下出血」です。

 脳は、くも膜の下で脊髄液の中に浮いているような状態になってます。その脊髄液の中には太い動脈が通っていて、血管が弱くなったところに脳動脈瘤(りゅう)という「こぶ」ができます。ある日、それが破裂。「バットで殴られたような痛み」「金づちでガンガン叩かれたような激痛だった」と言う患者さんが多いですね。

 発症すると全体の2割が突然死、3割は何らかの後遺症が残り、後遺症もなく社会復帰できるのは残りの5割といわれています。

 脳卒中は主に3つに分かれています。くも膜下出血が怖いのは、ほか2つに比べると明確な前兆がないこと。とはいっても、何かあるんじゃないですかね。そこで、脳神経外科、眞田クリニック(東京都大田区)の眞田祥一院長に相談に行きました。眞田先生は、前兆の可能性として考えられることを挙げてくださいました。

 (1)軽い頭痛を繰り返す(2)突然、首が硬くなる(3)まぶたが垂れてくる(4)ものが二重に見える(5)片目だけ明るくなる

 特に(1)の軽い頭痛を繰り返している場合は注意が必要とのことです。軽度の出血があると軽い頭痛が発生。1日ほどで消える。そんなことが繰り返し起こっていると危険。病院に直行した方がいいとのことです。頭痛を風邪の症状などと思って放置してしまうのが怖いんですって。

 (3)以下の目に現れる症状は、こぶが大きくなってきた時、そのこぶが視神経を圧迫して起きるそうです。眞田先生は「こぶを見つけることが大事」と強調します。MRI(磁気共鳴画像撮影法)、MRA(磁気共鳴血管撮影法)検査が有効。「30代から40代のうちに1度検査を受けるべき」とのことです。眞田クリニックでも年間50件ほど、こぶが見つかっているそうです。こぶがあったら血圧を正常に保つようにして、半年に1度は経過観察しましょう。

 《暖房器具などで風呂場を暖めてから入る》寒い冬は、家に帰ったらお風呂に直行し、ザブーンと湯船に飛び込む。気持ちいい~。でもこれ絶対NG。血圧の乱高下を招くからです。

 くも膜下出血は入浴中に発症するケースが多いです。私の同い年の知人も10年ほど前、風呂場でくも膜下出血になり、そのまま亡くなりました。私も人ごとじゃないと思って、冬場の入浴には注意してます。風呂場全体を暖めてから入ってますね。脱衣所を暖房器具で暖めるのも有効ですね。あと一番風呂は避けましょう。誰かが入った後の方が、風呂場が暖まってますから。

 外出する時も注意が必要です。暖房が効いた部屋から、いきなり息が白くなるような場所に出る。これも血圧の乱高下を招きます。眞田先生は「ちょっとしたウオーミングアップをしてから表に出るのがいい」と勧めます。私はこの時季、外に出る時は首回りを冷やさないよう気をつけています。マフラーは必須。服もなるべくタートルネックを着るようにしてます。手首、足首もそうですが、とにかく「首」を冷やさないことは大事ですね。

 くも膜下出血は血圧が関係するので、普段から血管の病気に注意。動脈硬化、高血圧、糖尿病などがある人は特に気をつけないといけません。眞田先生は、塩分を控える、青魚・野菜を食べる、有酸素運動の3つを心がけるようにと話しています。動脈硬化の予防にはビタミンEがいいんですって。眞田先生のオススメはクルミ、ごま、小魚です。高齢者は加齢で血管自体が弱ってます。ビタミンEが豊富な食材を取って、まずは血管を健康にしましょうよ。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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