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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】一日に「四季」取り入れ理想的な生活リズムを

[ 2019年10月12日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回から毎月第2、4土曜日にお届けします。リニューアル1回目は、高齢者の理想的、健康的な一日のリズムについて東洋医学の観点からみていきます。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。今日は“新装開店”ということで、基本に立ち返ってみようと思います。シニアの皆さんが健康であるためには、一日をどのように過ごせばいいのか。親しくしている日本東洋医学会・漢方専門医で医学博士、仙頭クリニック(東京都文京区)の仙頭正四郎院長にお話をうかがいました。

 東洋医学には「陽」と「陰」のリズムがあるそうです。陽は活動、発散。一方の陰は修復、滋養。一日の中にも反映でき、陽は昼間、陰は夜。要するに昼は昼らしく、夜は夜らしく過ごしましょうということ。仙頭先生は「四季のイメージを一日の中に持ち込むのも東洋医学的考え方」と話します。朝起きてから、翌日再び目覚めるまでを春夏秋冬に当てはめる。自然に身を任せるのです。

 高齢者は朝早く目が覚めてしまいますよね。そうしたら布団でゴロゴロしていないで起きる。4時でも5時でも。春なんですから。

 運動は夏に当たる昼間がベスト。仙頭先生いわく「体が修復モードに入る秋、つまり宵の口には終わらせるのがいい」とのこと。夜間のジム通いを日課にしている人は要注意。体を修復するべき時間に酷使している。夜起きているだけで「マイナス1」なのに「マイナス2」になってしまうからです。

 シニアは体の機能が衰えてきているので修復時間は長い方がいい。8時に床に入ってもいい。自然のリズムに従ってみましょう。
 私は朝5時からラジオをやっていることもあって結構、理想に近いですよ。起床は朝4時。スタジオではゴボウ茶と蜂蜜を用意。腰にはコルセットのようなベルトを巻く。腹筋がシャキッとして声が出やすいんです。こういうルーティンは大事ですね。体が目覚めます。皆さんも何か朝のルーティンを決めてみてはどうですか?

 食事も見直してみませんか?どうしても夕食が品数、量ともに多くなりがち。こってりしたお肉とかね。夜は体の修復時間なので、あまりこってりしたものは避けたいですね。かといってタンパク質は必要なのです。

 仙頭先生は「お米に代表されるデンプン、糖質は体のエネルギー源。お肉のタンパク質は体の構造物となるもの」と指摘します。夜は、もうそんなにエネルギーはいらないので「夕食にご飯系はゼロでもいい」とのことです。仙頭先生のお薦めは肉の入った鍋物。脂を落とせるし、味付けもそんなに濃くなくてもおいしい。エネルギー源のご飯・麺類は朝昼に取りましょう。果物は糖質も多いことから夜はあまり食べない方がいいんですって。

 私は夕食は、お付き合いがないときは5時半ぐらい。これも理想的。胃腸薬、消化酵素も常用してます。消化酵素はお薦めですよ。

 東洋医学では「体の働きは“熱”に支えられて充実する」と考えます。水も熱が加われば対流します。逆に熱がなくなり冷えれば凍って動かなくなる。体も同じ。人間は年を重ねるに従って、この熱が減って行くのが宿命。本来持っているエネルギーというところでしょうか。だから無駄遣いせず、いかに温存していけるかが鍵。

 「熱を蓄えるためには昼間しっかり活動すること」と仙頭先生。活動して燃焼した分を、夜間の修復モード、昼間使って放出した熱を体に補わせる。だから夜更かしせず休息することが大事。「実際、運動不足、寝不足は冷え性につながる」ということですよ。

 もうひとつ重要なのは、この熱をいかに広げていけるかということ。その力は「幸せ気分」だそうです。「運動でも仕事でも楽しく、ワクワクした気分でやれば、体は消費するものは消費する。作るものは作る。免疫機能も働きます」ということです。ラグビーW杯で日本が快進撃中。ドキドキ、楽しく応援。生活と体のリズムを整えるスタートとしてもってこいですね。

 ◇概日(がいじつ)リズム ほとんどの生物が持っている約24時間周期で変動する生理現象。体内時計といわれるもの。明暗に関係しており、動物では睡眠や食事のパターンの決定において重要。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の68歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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