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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】目の「油」でドライアイ防ぐ 痛い目見る前に3カ条

[ 2021年11月26日 17:50 ]

ドライアイ予防へのマイボーム腺ケア
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、空気が乾燥し始めたこの時季に特に増えてくる「ドライアイ」につい考えます。目の水分にとって大事なのは、実は水と正反対にある「油」なのです。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。2週間ほど前、突然左目が真っ赤になってしまって。急いでかかりつけの南青山アイクリニック(東京都港区)に駆け込んだところ、「結膜下出血」と診断されました。目を強くこすったりぶつけたりするとなるそうで、幸い大事に至るものではありませんでした。担当していただいた清水映輔先生によると「目のあざ」のようなものだそうです。いまは赤みも消えて、元通りになりました。

 診察室で清水先生に目についていろいろ質問しました。空気が乾燥してきたいま、気をつけなければいけないのは、やっぱりドライアイだそうです。目がショボショボしたり、かゆくなったり、訳もなく光をまぶしく感じたり。こんな症状を感じる人は、ドライアイかもしれません。今回は清水先生に、ドライアイについて注意点などを挙げていただきました。

 「ドライアイは湿度と温度の低下に影響を受けるので、冬に多くみられます。日本では2200万人がドライアイといわれているので、人口の6人に1人。また、オフィスワーカーの3分の2はドライアイというデータもあるほどです」

 これはもう国民病ですね。ドライアイの主な原因は、パソコン、スマホ画面を長時間見続けて目を酷使する、コンタクトレンズの使用、乾燥した部屋で長時間過ごすこと、などと言われています。気をつけましょう。

 清水先生は「油分」の重要性を強調します。

 「目の角膜は、涙の水分からなる水の層に包まれており、さらにその上を薄い油の層が覆っています。目が乾きやすくなる原因の一つに、この油が足りなくなることが挙げられます。この油を分泌している器官がマイボーム腺です。マイボーム腺が詰まることを『マイボーム腺機能不全』といい、油が十分に出てこなくなります」

 なるほど、このマイボーム腺が詰まると、ドライアイにつながるわけですね。清水先生が予防法を3つ挙げてくださいました。

 「まずは、まぶたを清潔に保つこと。マイボーム腺はまつ毛に沿って、上下にいくつもの開口部があります。アイメークなどで、この開口部を詰まらせないようにしてください。お化粧はしっかりと落とすことです」

 化粧をする男性も増えてますから、注意しましょう。

 「2つ目は、アイマスクで目を温めること。油ですから、熱を加えれば溶けだします。開口部の通りをよくするのです。市販のアイマスクを活用しましょう。3つ目は、コンタクトレンズを長時間つけたままにしないこと。一般的には10時間以内が目安といわれています。コンタクトレンズは、基本的に、医師による処方箋がないと購入できません。コンタクトレンズの使用は、それだけ慎重にならないといけないということです」

 ドライアイは目に違和感を感じるだけでなく、その陰に深刻な病気が隠れている可能性もあるそうです。

 「自己免疫性疾患の『シェーグレン症候群』がその一つです。免疫のバランスが崩れ、涙腺に影響を与えて涙が少なくなり、結果としてドライアイの症状が出ます。膠原(こうげん)病、甲状腺疾患も目に合併症が表れるので注意が必要です」

 目がショボショボしても「スマホの使いすぎかな」ぐらいにしか思わないですものね。自分では、ほかの病気の合併症とは考えません。

 「日本人は、ご自身の目にもう少しご関心を持ってもよいと思います。症状が重くなってから眼科に来る。ほかの先進国では定期的に眼科に行く『アイチェック』が定着しています。職場や学校の健康診断では、項目が決まっていて、個人的に不十分と思っています。最低でも年1回は眼科での検診を受けてください」

 私は緑内障も白内障もやっているので目にはずいぶん気を使ってます。眼科にも3カ月に1回行っています。人生100年、歯とともに目も大事ですね。

 新型コロナウイルスとともに新たなリスクファクターが増えました。ドライアイも、放置し続けて重症化すると角膜に穴が開くという話を耳にしたことがあります。家で何十時間もパソコンの画面を見たり、ゲームをやり続ければ、そんな危険もあるように思えます。

 涙の数だけ強くなれるよ、という歌があります。心が傷つきそうな人への応援歌ですが、これはドライアイにも当てはまりますね。角膜が傷つかないように十分な涙で覆って、その涙を乾かさないようにマイボーム腺をケアする。水分があれば目もキラキラして、表情も生き生きしますから!

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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