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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】食物繊維で善玉菌増やしノロウイルス感染対策

[ 2021年1月9日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は冬のこの時期に急増する食中毒「ノロウイルス」についてです。激しい下痢、嘔吐(おうと)に見舞われ、高齢者は命に危険が及ぶ場合もあります。

 《アルコール消毒効果見込めず…》
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。1都3県に緊急事態宣言が発令されました。新型コロナウイルスは依然猛威を振るっています。この1カ月は特に、ひとりひとりが自覚を持って行動していきましょう。

 今年はコロナウイルスへの警戒が最優先ですが、例年この時季、注意しないといけないウイルスがあります。そう「ノロウイルス」です。感染すると下痢、嘔吐が続く、つらい食中毒を引き起こすウイルス。今日は、そのノロウイルスのお話。服部学園理事で講師、管理栄養士の鈴木あきら先生に対策を伺いました。

 ノロといえば、カキを食べて感染というイメージがありますね。でも鈴木先生によると「実はカキなど二枚貝に由来する感染は全体の20%ほど。人から人への感染が約50%を占めているのです」とのことです。まず鈴木先生が注意を促すのが「接触感染」。特に多いのが、ノロ患者がトイレを出た後、ウイルスが付着した手で便座、ドアノブなどを触り、次にトイレに入った人がそれらを触り感染するパターン。「予防法は、まずはノロの患者さん、同居家族の徹底した手洗い。次に、次亜塩素酸ナトリウムを染みこませた布などでドアノブなどを消毒することが有効」だそうです。次亜塩素酸ナトリウムは家庭用の塩素系漂白剤(ハイター、キッチンハイターなど)に含まれています。ちなみに「ノロはアルコール消毒は効果が見込めない」そうです。

 ノロは嘔吐が激しいので、高齢者やお子さんがテーブルや床に吐いてしまうこともありますよね。その処理にも細心の注意が必要。「ノロウイルスを含むほこりを吸い込むことによる塵埃(じんあい)感染の危険がある」からだそうです。

 イラストを見てください。鈴木先生が勧めるノロ対策「しっかり3カ条」をまとめたものです。まずは<1>手洗いをしっかり<2>食材の加熱をしっかり。そして<3>。吐いたものをしっかり処理・消毒しないと、残ったものが乾燥し、掃除機などをかけたときに舞い上がって、それを吸って感染してしまう。「通常の食中毒は病原体が10万~100万個、体内に入ると発症しますが、ノロは10~100個で感染します」とのこと。ノロウイルスは、嘔吐物1グラムに最大1億個、便1グラムに1兆個もいるといわれているんですって。イラストの<3>を参考に、しっかり処理・消毒しましょう。塩素系漂白剤を使う際は、換気とゴム手袋の使用を忘れずに。

 《高齢者は免疫力のアップが大事》
 ノロウイルスが体内に入ってしまった場合のために、鈴木先生は「高齢者は免疫力をつけることが大事」と指摘します。人間の免疫力は70%が腸にあると言われています。「腸内の善玉菌の比率が高くなれば抵抗力は増します。善玉菌のひとつ、ビフィズス菌を増やすこと。それには発酵食品、オリゴ糖、食物繊維を取るのがいい」そうです。

 鈴木先生のオススメは、発酵食品ならヨーグルト、納豆、チーズ。納豆菌は胃酸や熱に強く、腸まで届くそうです。チーズなら、プロセスチーズより、乳酸菌豊富なナチュラルチーズがいいそうです。オリゴ糖はハチミツ、ゴボウ、あずき、タマネギ、バナナなどに多く含まれています。私も半年ぐらい前からプレーンヨーグルトにハチミツをかけて朝と昼に食べています。お通じも快調で、体の調子も良くなりました。

 腸内に老廃物があると善玉菌が住みにくくなるそうで、食物繊維で掃除することが大事。鈴木先生は「加齢とともに腸内は悪玉菌が多くなります。高齢者の便が臭いのはそのせいです」と話します。

 下痢、嘔吐がひどいと高齢者は脱水症状に要注意です。「アナフィラキシーショックのように意識がなくなってしまうことがあります」とのことです。経口補水液やスポーツドリンクをこまめに取るようにしましょう。

 鈴木先生によると「市販の下痢止め薬の服用は、あまりよくない。ノロウイルスが体内にとどまってしまうため」とのことです。薬の服用は医師に相談し、指示に従うようにしましょう。

 私は、話す仕事をしていることもありますが「感染防止はまず口内環境から」と考えていて、1日8回、歯を磨いてます。ちょっと多すぎかもしれませんが。コロナウイルスだけでも大変なんですから、ノロウイルスはできる限り遠ざけておきましょうよ。まずは、しっかり手洗いですね。これはコロナ対策、さらにインフルエンザ対策にも有効ですから。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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