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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】簡単に取り組める「マスク頭痛」対処法

[ 2020年12月12日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(69)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回はマスクを着け続けるコロナ禍で、訴える人が増えている「マスク頭痛」についてです。対処法、片頭痛との関係について考えていきます。

 《二酸化炭素の濃度上昇と片頭痛悪化》
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。新型コロナウイルスの国内の感染者が過去最多を記録しました。忘年会で盛り上がる時季ですが、3密は避け、ソーシャルディスタンスを意識。しっかりマスクをして、気を抜かずに過ごしましょう。

 1年前には考えられなかったことですが、もはやマスクは一日中着けるのが当たり前。でも今、それが原因と思われる頭痛に悩まされている人が増えているのです。「マスク頭痛」と言われるものです。コロナだけでも気を使うのに、頭痛の心配までしないといけないなんて。それだけで頭が痛くなりますね。どう対処したらいいのでしょう。東京女子医大の脳神経外科頭痛外来の客員教授、清水俊彦先生に伺いました。

 清水先生によると、主な原因は2つ。1つ目は、血液の中の二酸化炭素(CO2)の濃度上昇です。最近のマスクは緻密な化学繊維でできています。飛沫(ひまつ)を防ぐ効果はありますが、その分、十分な換気が行われない側面もあるとのことです。清水先生は「結果として自分で吐いたCO2濃度の高い空気を吸うことになります」と指摘。CCO2には血管を広げる作用があるそうで「脳の血管が拡張し、脳が腫れぎみになって脳圧が上がることで頭痛が起きると考えられる」そうです。

 2つ目は、元々、片頭痛持ちの人がマスクを着け続けることで症状が悪化し「マスクが原因」と認識しているパターン。片頭痛持ちは日本に約840万人いるといわれ、男女比4対1で大多数が女性の患者さんです。「片頭痛はホルモンバランスとも関係があります。男性は女性と比べてホルモンバランスが変化することが少ないため、自分が片頭痛持ちと気付いていないことが多い」そうです。

 天気が悪くなる前や、仕事が休みの週末になると頭が痛くなる男性は「片頭痛持ちと考えていい」とのこと。前者は、気圧が下がって体の圧力が緩み、血管が拡張するため。後者は、起床時間が遅く、食事を取るのも遅れるため血糖値が下がる。血糖値が下がると血管が拡張するので頭痛が起こるそうです。

 また、コロナに感染しないか一日中緊張して仕事をして、帰宅してマスクを外した途端に頭が痛くなるのも片頭痛が疑われるんですって。「ホッと安心して一気に副交感神経が優位になり、血管が広がって、周囲を取り巻く三叉(さんさ)神経を刺激し、その情報が脳に伝わって頭痛になる」そうです。男性の皆さん、自分が片頭痛持ちか、しっかり認識しておきましょう。

 《3回深呼吸、ブドウ糖の摂取、湿り気》
 ではマスク頭痛は、どのように予防すればいいのでしょうか。清水先生に指南していただきました。イラストを見てください。

 (1)「マスクを外して3回深呼吸」 周囲に人がいないことを確認、あるいは十分なソーシャルディスタンスを保って深呼吸を3回。肺にたまったCO2を吐き出します。周りに気を使いながら定期的に行いましょう。

 (2)「ブドウ糖を含んだアメをなめる」 ブドウ糖を摂取すると血管が収縮するため。片頭痛は血管が広がることで起きるので、逆に縮めればいいわけです。マスクをしながら、いつでもどこでもできます。ただしアメなら何でもいいわけではありません。最近人気のキシリトール入りのアメは効果が期待できません。

 (3)「マスクを一晩浴室につるす」 吸い込む空気に少しでも湿り気を持たせるためです。乾いた空気を吸って喉がカラカラになると、口の粘膜の三叉神経が刺激されるからです。

 私は幸いマスク頭痛はないようです。以前は片頭痛があって、寝不足で起床した時や目が疲れた時によく頭が痛くなりました。私の場合は首や肩を温めると痛みが和らいだので、肩にカイロを貼ったりネックウオーマーを使ったりしてました。

 マスクを一日中着けっ放しにするのは、確かにわずらわしく思えますね。でも第3波に見舞われている今、いま一度その大切さを自分に言い聞かせましょう。清水先生もマスクの重要性を重ねて訴えています。特に高齢者はしっかりとマスクをするべきと強調します。「ただしマスクを着けた状態で大声で笑ったりすると過換気になりやすい。大笑いはせず、走ったりもしないこと」だそうです。

 清水先生が勧める対処法は、すぐに簡単に取り組めるものばかり。“マスク頭痛の種”は、できる限り摘み取っておきましょう。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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