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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】外出自粛下の便秘…運動できなくても、よく噛んで快適お通じ

[ 2020年5月9日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(69)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「外出自粛生活における便秘」です。運動不足になり、間食もしがち。そんな中での快便のカギは“出口”ではなく“入り口”にあるようです。

 ◆理想の便は「熟れたバナナ」
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が延長されました。大都市圏ではまだ毎日、感染者が多数出てますから。不要不急の外出は控え、出かけた時は「3密」にならないよう注意していきましょう。

 巣ごもり生活が続くとソファに長時間座ってテレビを見たりで、どうしても運動不足になりがち。動かないから、おなかもあまりすかない。通勤していたときは家を出る前に排便していた人も、テレワークで“朝のルーティン”がなくなった。家ではいつでもトイレに行けるという利点はあるものの、リズムが狂って、便秘がちになった人も多いようです。そこで、大腸・肛門の専門医で東京・赤坂のマリーゴールドクリニック院長の山口トキコ先生に指南を仰ぎました。

 山口先生は「毎日排便しなければいけないとは思わない。回数にとらわれすぎているのでは」と話します。ズバリ「大事なのは便の形状、便の質」だそうです。

 図<1>を見てください。「ブリストルスケール」と呼ばれる、国際的な便の形と質の指針。1997年に英国ブリストル大学の教授が発表したものです。

 硬いコロコロ便から下痢の時に出る水便まで7段階に分類。理想は4番。表面が滑らかで軟らかくソーセージのような形という寸評が付いています。山口先生ももちろん“4番推し”。先生は「熟れたバナナのような便」と称してくれました。

 私は便を出すたびに、色や形をチェックしています。最近はよく食べて、よく寝ているので、山口先生が勧めるバナナのような便が出ています。外出自粛で近所の散歩ぐらいしか運動できないんですが、家の中でもスマホを使って歩数を測ってます。1日8000歩が目標。皆さんも家の中で歩く工夫をして、やってみてください。便が出たらブリストルスケールに照らし合わせてみましょうね。

 ◆食事では1口30回は噛もう
 私は、快便のためには運動がいいんじゃないかと思います。腹筋とかスクワットとか。でも山口先生は「外出自粛の今、排便のためには必ずしも運動しないといけないということはない」と言うんです。「噛(か)むことが運動の代わりになる」と、食事の時にしっかり噛むことが良いお通じにつながると強調します。

 なぜか。図<2>を見てください。よく噛むと副交感神経が働きます。腸のぜんどう運動は副交感神経に支配されているので、副交感神経が活発になると腸がよく収縮。その結果、便がよく出るのです。

 山口先生は、噛むことと便の重要な関係性についてのエピソードも語ってくれました。山口先生は、大阪府豊中市の著名な歯科医、片山恒夫先生と交流がありました。片山先生は、90歳を過ぎて寝たきりに。昔から、「噛むことが大事」と提唱していたので、食事の時はベッドに座って「1口50回噛む」ことを実行。便が出ると、観察して重さを量りました。便は毎回120グラムから150グラム。この数値は、山口先生によると「理想的な量」だそうです。90歳を超えても、寝たきりでも、しっかり噛めば、しっかり便が出る、という素晴らしい実例ですね。

 50回はなかなか大変ですが、山口先生は「1口30回は噛む」ことを勧めてくれました。私もコロナ以前は、外出先で人との話に夢中になって「噛むこと」は意識していませんでした。でも今は家で食事をすることが多いので、ゆっくり噛んで食べることを心掛けています。それも快便につながっているんだと思います。

 ものをよく噛む。これは忙しい現代人が忘れがちなこと。外出自粛、リモートワークで、以前より時間に余裕がある人も多いでしょう。この機会に「よく噛む」という当たり前のことをやってみましょうよ。

 《炭水化物&水分しっかり摂取を》山口先生は「便の材料となるものは減らさない」とも強調します。炭水化物を必要以上に減らさず、白米など、穀類はしっかり取るべきだそうです。日本人の腸内細菌は、炭水化物を好きな細菌が多いんですって。根菜、豆類、海藻も大事とのこと。あとは、水分。1日に水分は、食材に含まれる水分込みで約2リットル必要。3度の食事に合計800ミリリットルが含まれていると仮定すると、飲み水としては1日に1.2から1.5リットル。「カフェインを含むコーヒーや、アルコールではないものの方がいい」そうです。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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