3メートル超 長竿でシャクってアオれアオリイカ 餌木が泳いでいるような演出が重要

[ 2023年12月5日 07:20 ]

良型のアオリイカを手にする土一さん(左)と村上さん。うらやましすぎる
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 【バイカー紗希の釣~りんぐ】125CCのバイクに乗っていざ釣行へ。アウトドア大好きの釣りガール・中山紗希が挑戦したのは、神奈川県茅ケ崎・沖右衛門丸。このところ順調に釣れているアオリイカを仕留めようと、長竿を駆り良型に挑んだ。

 横方向に餌木を引っ張るティップランとは対照的に、沖右衛門丸では中オモリをつけてバーチカルに攻める。指示されたタナまでオモリを落とし、数秒おきにシャクリを入れる。狙い方はいたってシンプル。とはいえ、アオリイカは脳と目が大きく餌木がよく見えているのだそう。だとしたらシャクリの動作はとても重要で、餌木が泳いでいるように演出しなくてはならない。同じシャクリの釣りとして、テンヤで狙うスミイカはある船宿のシーズンベストを樹立した経験もあり良い印象を持っている。サイズは違えどフォルムは似たイカだし。今回も根拠のない自信を胸に挑んだ。

 ポイントの江の島沖。海底の起伏に合わせ桑山宏船長のアナウンスの声が響く。「21メートル、22メートル…優しくシャクってもイカは乗らないからね。鋭くやってね」とアドバイス。客に釣らせたいという強い気持ちが伝わってくる。玄人が好むという3メートル超の長い竿を使い、期待に応えようとがむしゃらにシャクっていると「長竿は1メートルもシャクればいいから!」。筆者に向けたものだろう。よく乗客を見てくれている。

 開始から数十分でお隣さんの長竿が曲がり、さらにグンッと引き込みを見せた。間違いなく本命の当たり。慎重に巻いて良型をゲットしたのは、東京都八王子市の土一正人さん(51)。「早い時間帯に釣れると気が楽だよね。長い竿で釣れたら凄く気持ちいいよ。頑張って」との優しい言葉をかけてくれたのに「たくさん釣れたら分けてくださいね」。アオリではなく、これはタカリである。

 潮もいい感じに動き出し、アオリの乗りは順調。数時間経過したところで、自分だけ釣れていないことに気がついた。「サボってないで真剣にシャクらないと!」と左舷ミヨシからハッパをかけられる。東京都足立区の村上雄一さんは、この日が58歳の誕生日。すでに4匹を釣り上げており、余裕の表情でこちらをあおってくる。応援を背に受け、なんとか釣りたい一心でシャクり続けたが、筆者の竿は曲がることなく無念のタイムアップとなった。

 この釣りはタナが重要で、50センチズレると釣れないらしい。PEラインの色でタナを調整していたから合っていたはず…けれども思いかえしてみれば、中オモリから餌木までの長さは“だいたい”4メートルだったし、リーダーも“だいたい”3メートル。雑さの積み重ねか。餌木のカラーローテーションももっと予習しておけばよかった。反省しきり。

 分かりやすくへこんでいると、土一さんと村上さんがスミイカを1匹ずつプレゼントしてくれた。アオリもくださいとは言い出せず…やはり自分で釣るしかないようだ。帰宅後には視認性の高いPEに巻き替え、泣きながら食べたスミイカは甘くておいしかった。

 ◇中山 紗希(なかやま・さき)1992年(平4)生まれ。都内の会計事務所に勤務する傍ら125CCのバイクで釣行。日本百名山全山踏破にも挑戦している。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、茅ケ崎・沖右衛門丸=(電)0467(82)3315。出船時間は午前6時半、乗合料金は1万500円。

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