【芸人 イチオシ】「悪魔の双子」ダイタク 持ち味の「ボケない漫才」で人生最大のギャンブルに臨む

[ 2022年10月2日 09:00 ]

一卵性の双子のお笑いコンビ「ダイタク」の吉本大(左)、吉本拓
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 「悪魔の双子」の異名を持つ一卵性双生児で、ギャンブル好きのお笑いコンビ「ダイタク」=吉本大(37)、拓(37)=は「ボケない漫才」が持ち味だ。うり二つの見た目を武器に、双子だからこそ起こる、さまざまなシチュエーションをネタにしていく。

 代表作の「兄貴」では2歳年上の兄について、大が「全然、顔が似てないんです」「メガネをかけてます」と基本情報を紹介。拓が「言うな」とツッコミを入れるだけで笑いが起きる。大は「僕らは兄貴の情報を言っているだけで一つもボケていない。ボケないで笑わせるっていうのが僕たちのお笑いの理想形」という。葬式をテーマにしたネタでは、故人と遺族が同じ顔という実際に起こりうる状況の中でネタが展開される。想像するだけでクスクスできるシチュエーションだ。

 若手漫才師の日本一決定戦「M-1グランプリ」では優勝候補との呼び声も高い。2019年から3年連続で準決勝進出しており、芸人仲間らは「決勝に行けば優勝できる」と太鼓判を押す。決勝常連組だった実力派コンビ「スーパーマラドーナ」武知(44)も「ダイタクの漫才の一番良いところはボケないところ。それで笑わせるからすごい。ボケないと笑わせられないから、みんなボケるんです」と絶賛した。

 M-1は、決勝に初めて進出した時が最大のチャンス。2005年のブラックマヨネーズもそうだが、近年でも19年のミルクボーイが優勝に輝いている。2人は「今年は行ける気がする」と声をそろえる。大は「肌感覚とし2人とも共通してるんですけど、昔から上手くいきそうと思ったら、上手くいくんですよ」と自信をのぞかせた。

 この逆転の発想は趣味のギャンブルでも通常運転で、あえて「勉強しない」ことに、こだわりがある。大は「勉強したらつまらないじゃないですか。当たらなくても良い。お金を失うのが楽しいんですよね。お金を失うとか脳汁半端じゃない」とニヤリ。拓もすぐさま「漫才も毎回、大爆笑を取っていたら面白くないと思うんですよ。めっちゃスベったりするから、その振り幅がたまらない。最低を知っているから最高の時が気持ちいい」と同調した。「悪魔の双子」にかかれば、漫才もギャンブルもひと味違う。

 ギャンブルが好きすぎて、給料が手取り10万円ほどの若手時代に、拓は一度のレースで30万円負けたことがあるという。「その時どうやって30万円を手に入れたのか、誰に借りたのか覚えてない。借りた人の連絡先も知らない。M-1で優勝して、大きなお金がまとまって入ったらSNSで“僕がお金を借りて返していない人いますか?”ってつぶやこうと思います」。

 ボケない漫才で人生最大のギャンブルに臨むダイタク。“逆張り”で優勝賞金1000万円のM―1ドリームを叶えられれば、自称お金を借りた人や、面識のない知り合い、見たこともない親戚からの連絡が増えることだけは間違いなさそうだ。

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2022年10月2日のニュース