藤井王将 戦型は比較的苦手な横歩取り A級順位戦で糸谷八段と地元・名古屋で対局

[ 2022年9月12日 12:29 ]

A級順位戦で糸谷哲郎八段と対局する藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が12日、地元・名古屋将棋対局場で、第81期名人戦A級順位戦の糸谷哲郎八段(33)との対局に臨んだ。午前10時、藤井の先手で対局が始まり、戦型は横歩取りへ進んだ。

 対局前までの通算成績278勝56敗の勝率・832を誇る藤井だが、横歩取りは先手で12勝7敗の・632、後手では0勝1敗。実戦経験も少なく、比較的苦手な戦型になった。

 指し手はスローペースになり、正午からの昼食休憩までに25手しか進まなかった。持ち時間は6時間で消費時間は藤井が44分、糸谷が1時間4分。深夜終局予定。

 A級は9人が年度間を通じて総当たりし、渡辺明名人(38)への挑戦権を争う。今回が3回戦でここまで共に1勝1敗。1回戦で佐藤康光九段(52)に勝った藤井だが、菅井竜也八段(30)との2回戦ではそのエース戦法・中飛車に敗れた。昨年9月のALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ以来の顔合わせになった糸谷戦は過去の全5局、藤井が勝っている。

 藤井は今期挑戦権を獲得し、来年4月以降開催予定の名人戦で渡辺から名人位を奪うと谷川浩司十七世名人(60)が持つ21歳2カ月の最年少名人記録を更新する。更新のチャンスは今期のみ。最近10期の名人戦挑戦者はうち8人が無敗か1敗で挑戦権を獲得した。藤井が1敗のまま全9局を指し切るためには糸谷戦を含む7局の全勝が条件になる。

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2022年9月12日のニュース