今年4月死去 結城貢さん妻が闘病生活つづった日記書籍化「最後は戦友」夫婦愛いっぱいの一冊

[ 2022年9月12日 05:30 ]

出版される本を手に笑顔の結城由紀子さん(撮影・村上 大輔)  
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 今年4月に直腸がんのため死去した料理研究家の結城貢さん(享年81)の最後の7カ月の闘病生活を妻の由紀子さん(66)がつづった日記「貢さん、やっぱり大好き」(青志社)が12日、発売される。

 日記は結城さんが直腸がんの手術を受けた昨年9月16日に始まる。由紀子さんは当時の思いを「日記なんて小学校以来。元気になると思っていたので、貢さんと一緒に読み返そうと思って書き始めました」とスポニチ本紙に語った。自宅に戻っての看護、転移と緩和ケアの選択などが率直につづられている。

 ダミ声、毒舌で料理をするキャラクターがお茶の間で親しまれた結城さんだが、素顔は繊細で優しさにあふれていた。闘病生活は心配をかけまいと友人や夫婦で営む割烹(かっぽう)店「原宿 結城」の常連客にも一切知らせず。由紀子さんは、1人で店を切り盛りしながら、自宅で結城さんの看護も続け「私が店に行こうとするとさみしがるのが一番つらかった」と振り返る。結城さんは自身が大病ながら「信号は赤で渡るなよ!」と由紀子さんを心配していたという。

 本の帯は、結城さんと共演していたTBSの安住紳一郎アナウンサー(49)が「先生の優しいダミ声が耳元でよみがえりました」と直筆メッセージを寄せている。「16歳離れた夫婦で、私が娘みたいでしたが、最後は戦友になりました」と愛にあふれた夫婦の姿がつまった一冊。由紀子さんは、結城さんから引き継いだ店で「皆さんに最後をご報告でき、主人の生きた証を残せた」とほほ笑んだ。

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