頭脳ゲームに男女差はない 里見女流4冠の挑戦で女性競技者に新たな道が切り開かれるか

[ 2022年7月7日 05:30 ]

里見香奈女流4冠 プロ棋士挑戦

里見香奈女流4冠
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 棋士と女流棋士が区別され、その実力差から対局することがほとんどない将棋界。これに対し囲碁の「女流棋士」というのは単に性別を強調するだけの肩書で、対局も男女関係なく打たれている。藤沢里菜女流名人は、男性棋士に交じってもトップ棋士の一人として名前が挙げられる。

 日本棋院によると、所属棋士352人のうち、76人が女流(2022年1月現在)。日本棋院は女流棋士を増やすために、女性だけが受験できる「女流棋士特別採用試験」を設置し、育成に力を注いでいる。また、平安時代に清少納言の「枕草子」に登場するなど古くから女性にもたしなまれ、1911年に喜多文子さんが女性初の四段となるなど「女流棋士」の歴史も100年以上ある。女性への門戸が伝統的に広い。

 囲碁や将棋のほか、チェスなどの頭脳ゲーム全般を研究する大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員で元奨励会三段の古作登氏によると「知的遊戯(頭脳ゲーム)に男女の差はありません」。将棋とゲーム性の近いチェスでは、ハンガリーの女性プレーヤーであるユディット・ポルガー氏が男性も含めた世界ランキングで最高8位に入るなど、勝負の世界における女性のポテンシャルの高さがうかがえる。

 古作氏は「将棋では男性と同じ土俵に立って戦う女性プレーヤーが少なかった。里見さんの挑戦によって、女性の競技者に新たな道が切り開かれると思います」と期待した。

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2022年7月7日のニュース