岡田健史が事務所退所裁判、独立ラッシュの中で異例法廷闘争 デビューわずか3年、契約残すも折り合わず

[ 2021年5月18日 05:30 ]

所属事務所との契約解除を求める岡田健史
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 人気若手俳優の岡田健史(22)が所属事務所「スウィートパワー」からの退所を求めて裁判の渦中にあることが17日、分かった。スポニチ本紙の取材では契約解除の仮処分を求める申し立てを裁判所にしており、結論が今月中に出る見込み。4月末には出廷もした。タレントの独立ラッシュの中で法廷闘争に至ったのは極めて異例だ。

 19歳だった2018年、俳優デビュー作となったTBS「中学聖日記」の初々しい姿で女性ファンの心をつかみ、順風満帆だった次世代の担い手。そんな岡田がデビューわずか3年で、NHK大河ドラマ「青天を衝け」出演中に大きな決断をしたことにドラマや映画関係者は「期待の星として事務所に厚遇されていたはずなのに」と驚いている。

 17日に岡田の退所問題を報じた「女性自身」電子版によると、岡田が退所を決めたのは事務所の女性社長への不信感と出演作の選び方への不満だという。不信感の要因には「社員の入れ替わりの激しさ」、今春の「週刊文春」による社長のタレントへのセクハラ、社員へのモラハラ報道を挙げている。事務所関係者は「女性自身の記事には“昨年だけでも10人以上が退職したそうです”とありますが、誤りです」とし「事実と異なった部分が多くある報道をきっかけに不信感を抱かれたなら誠に遺憾。出演作は嫌がったり、断られたりしていて以前からズレがあった」と話している。

 本紙の取材では、岡田は3月下旬に退所したいと同月中旬に事務所側に伝えた。その後、事務所の寮も退去。弁護士を同行して事務所社長と面会したが、5年契約であと2年ほど残っており、慰留する社長側と折り合えなかった。

 現在「青天を衝け」のほか、テレビ朝日「桜の塔」に出演中。「桜の塔」の撮影の真っ最中だが、事務所側の送迎を拒否し、1人で現場に入っている。ドラマ関係者からは「マネジャーと距離ができたからか、今年に入って現場で自分の意見を主張するようになり、撮影を止めてしまうなど、以前と違う姿に驚く関係者もいる。もっと輝く原石だけに今後どうなるのか心配だ」という声も出ている。

 《先月、高杉真宙が同事務所から独立》過去にタレントの事務所退所を巡り裁判となったケースとしては、安田美沙子(39)が昨年、18年間所属した事務所からの独立を求めて提訴。事務所側も別の問題を提起する形で反訴したことがある。裁判にはならなかったが、安室奈美恵さん(43)や西内まりや(27)ら代理人を立てて独立を求めたケースも。スウィートパワーでは、堀北真希さん(32)が17年に事務所を退所し芸能界を引退。高杉真宙(24)は先月に退所し独立した。

 ▼嵩原安三郎弁護士 タレント側と事務所側が交わしている契約書の内容にもよるが、事務所や仕事への不満が本人の生活にどの程度、影響しているのかが争点となる。今回は仮処分の申し立てを行っているが、これは早期解決を求めての判断だと考えられる。通常は2、3カ月ほどで決着がつく。ただ、仮処分で契約解除が認められても事務所側が争えば本訴となり判断が覆る可能性も。また仮処分の訴訟を通じて双方が話し合いをすることで、事態が解決へと動くケースもある。

 ◆岡田 健史(おかだ・けんし)1999年(平11)5月12日生まれ、福岡県出身の22歳。高校卒業後にスウィートパワーに所属。19年に福岡放送「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」でドラマ初主演。20年にTBSドラマ「MIU404」に出演。映画「望み」など3作品への出演で今年の第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。1メートル80、血液型O。

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