カメラマンが目を奪われた光景…同じ社会人10年目の選手が見せた気迫ヘッド

[ 2022年7月20日 09:00 ]

<鷺宮製作所・Honda熊本>2回、セーフティーバントでファウル判定されるも一塁へヘッドスライディングするHonda熊本・川嶋(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 社会人生活10年目を迎えたカメラマンの目に鮮烈に焼き付いたのは、私と同じく社会人10年目の選手が見せた気迫のヘッドスライディングだった。

 鷺宮製作所に先制されるも古寺の同点弾で追いつき迎えた2回だ。Honda熊本の川嶋克弥主将はセーフティーバントを敢行も打球は三塁線に切れる。カメラマン席にもしっかりと聞こえるほどの「ファウル!!」という審判の声が響いた中、川嶋は全力疾走を止めず、一塁に豪快にダイブ。ベテラン選手であることを忘れさせるどころか、高校野球を見ているかのようなハツラツとしたプレーだった。

 川嶋はこのプレーについて、「ヘッドスライディングはチームの士気を上げる一つの手段。ファウルかフェアかは分からなかったが、ベンチに気持ちを見せたるためにも飛び込んだ」。チームを勝利に近づけるため、身をていして飛び込み、土を巻き上げながら出塁を狙った姿に、私は目を奪われた。

 カメラマンが感銘を受けるほどのプレーに、一塁側に陣取るHonda熊本ナインが奮起するのは想像に難くない。続く3回、4回に合わせて3発の本塁打で6得点。6回には、川嶋自身が勝負を決定づけるソロホームランを放つ。生還した主将は盛り上がりが最高潮に達したベンチの中に飛び込んでいった。

 都市対抗野球は前回、前々回と冬の12月に行われ、今大会は3年ぶりの夏開催。都道府県大会で火花を散らす高校球児と同じく、大人たちの夏も熱い。9―3で初戦突破をたぐり寄せたベテラン主将は「昨年は準決勝、決勝とチームに貢献できなかった。自分自身も結果を出して、節目の10年目で優勝したい」。昨年決勝で涙をのんだ悔しさを胸に初戴冠を目指す。(写真映像部・木村 揚輔) 

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月20日のニュース