9回に148キロを叩き出す無尽蔵のスタミナ 盛岡中央・斎藤響介が「牛タンパワー」で19K

[ 2022年7月20日 22:24 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会3回戦   盛岡中央6―1盛岡市立 ( 2022年7月20日    花巻 )

150キロを連発した斎藤(撮影・柳内 遼平)
Photo By スポニチ

 ギラギラと照りつける太陽の下、無尽蔵のスタミナが光った。盛岡中央が6―1とリードして迎えた9回。最速152キロ右腕・斎藤響介(3年)は「最後はねじ伏せる気持ちで」とギアを上げた。二者連続三振を奪うと、129球目は146キロ直球。見逃し三振に仕留めてマウンド上で、にっこりと笑った。

 7回先頭まで無安打投球を続ける快投で1安打1失点完投勝利。準々決勝進出に導き「自分でも良いピッチングができたと思います」と胸を張った。今夏の目標だった150キロを7度も計測するなど直球が走った。落差の大きいフォークや鋭いカットボールを駆使して19奪三振。9イニングの大会記録まであと1に迫る2位タイ記録だ。プロ入りを狙う男が、視察した4球団9人のスカウトに猛アピールした。 
 9回に148キロを計測したスタミナの秘訣はルーティンにある。登板前夜の斎藤家の夕食は必ず牛タン。昨夏に大好物を食べて臨んだ試合で好投して以降、登板前には欠かせない「必需品」に。小食の斎藤は茶わん一杯のご飯しか食べない。その変わり、たんぱく質、鉄分などを豊富に含む牛タンがスタミナの源になった。岩手制覇まで残り3勝。息子の活躍を願う母・敏江さんは「頑張ってもらえれば」とこれからも夕食に牛タンを「連投」させるつもりだ。(柳内 遼平)

 ▼中日・米村明チーフスカウト 初めてみました。小さいテークバックのフォームはウチの高橋宏斗みたいですね。参考にしているんじゃないでしょうか。フォームがそっくりです。力強い真っすぐだけではなくて、カットボールなど変化球で空振りを奪うテクニックもある。良い投手ですね。

 ▼阪神・畑山俊二アマ統括スカウト 春先に見た時は直球が142キロくらいだった。この短期間でこんなに力強くなった。腕の振りも鋭く球の強さがすばらしい。春と体つきは変わっていないが、暖かくなって体が生きてきたと思う。変化球も思った以上に投げることができた。まだまだ体が出来上がっていないので、伸びしろがある。これから楽しみです。

 ◆斎藤 響介(さいとう・きょうすけ)2004年(平16)11月18日生まれ、岩手県滝沢市出身の17歳。小3から竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中では軟式野球部に所属。盛岡中央では1年夏からベンチ入りし、2年夏から背番号1。憧れの選手はオリックス・山本。50メートル走6秒5。遠投105メートル。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2022年7月20日のニュース