静岡商 エース大橋が公式戦初完封で16強導いた!常葉大橘を返り討ち

[ 2022年7月20日 19:29 ]

第104回全国高校野球選手権静岡大会3回戦   静岡商2―0常葉大橘 ( 2022年7月20日    清水庵原 )

<静岡商・常葉大橘>常葉大橘打線を散発6安打に抑え、公式戦初完封を飾った静岡商のエース大橋
Photo By スポニチ

 昨夏2回戦の再現となった屈指の好カードは、古豪復活を期す静岡商が第5シード常葉大橘を返り討ち。エース右腕・大橋建仁(3年)が1四球だけの散発6安打で公式戦初完封を飾り、3大会ぶりの16強入りを決めた。

 明らかにギアが上がった。107球目。躍動感あふれるフォームから狙い澄ましたこん身の直球でバットの空を切った。三振締め。1回戦に続き9回を完投し、しかもホームを踏ませなかったマウンド上の大橋は、表情一つ変えず一瞬だけ右拳を握りしめると淡々と整列に並んだ。

 「最後は三振を取りに行きました。真っすぐで決めて気持ち良く終わらせようと。シード校を倒したかった」

 最速141キロという直球と変化球のコンビネーションが、最後まで相手打線に的を絞らせなかった。最大のピンチとなった7回1死一、二塁では、前打席で中前打を許していた長谷川悠右翼手(2年)をチェンジアップで空振り三振斬り。基本的には「欲をかかずに打たせる気持ちでした」と平常心を保ちながらの好投が、公式戦初完封につながった。

 順風満帆で迎えたラストサマーではない。春季大会中に右肘を痛め、5~6月にかけてはノースロー。精神的にもキツかった。それでも元気な姿で仲間を甲子園に連れて行くイメージだけは持ち続けた。「ほぼ一日走っている時もありました」と“陸上部”のような生活と、ウエートトレによる体力強化でフォームが安定。直球の平均も上がり「腕が振れるようになり、140キロ近い球が投げ続けられるようになりました」と自信が回復した。

 理想像は1年夏に見た、現在DeNAでプレーする先輩左腕・高田琢登投手(19)の勇姿。「オーラが違いました」と実感し「チームを引っ張る大きな存在でした。自分も近づけるよう勝てる投手になります」とうなずいた。静岡東との4回戦へ、確実に士気は上がった。 (小澤 秀人)

続きを表示

2022年7月20日のニュース