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【絶対!健康若返る旅】心と体癒やす森療所 長野県飯山市なべくら高原

[ 2018年8月31日 12:00 ]

ブナの森の中を歩く森林セラピー散策。真っ直ぐ上に伸びる姿が美しい
Photo By スポニチ

 熟年記者が旅をしながら健康を目指す「絶対!健康 若返る旅」。今回は長野県飯山市のなべくら高原に出掛けた。日本初の森林セラピー基地に認定されたエリアの一つで、昨年放映された吉永小百合のテレビCMでもおなじみ。森林の癒やし効果が心身の健康につながるという森林セラピー。拠点の宿泊体験施設「なべくら高原森の家」で森林のパワーにどっぷり漬かった。 (三宅 哲夫)

 JR北陸新幹線飯山駅からバスで約50分。鍋倉山(標高1288メートル)山麓の広大な森林に囲まれた森の家に到着早々、貴重な話を聞いた。「十数年前、飯山市で日本医科大などが12人で2日間の森林セラピーの実験を行ったところ、ストレスホルモン濃度の低下など、リラックス効果が確認されるとともに、がん抑制に有効な免疫活性が高い数値を示すことが分かったんです」(信州いいやま観光局の高野賢一さん)。森林セラピーが人の心と体の健康に有効であることが、科学的に実証されたというのだ。

 がぜんやる気になって森の中へ。まずは森林セラピー散策を体験。ストレスにつながるスマホや時計は森の家に預け、インストラクターの案内で約2キロを約2時間で歩く。途中、杉の葉をこすったり、クロモジの茎を折るなどして匂いをかぐと、かんきつ系やハーブ系の香りがして心が安らぐ。

 天に向かって真っすぐ伸びる美しいブナの森に入ると、さらに心はリラックス。森閑として木々の間から陽光が差す空間はまるで別世界。特設の椅子に腰を下ろしてインストラクターが準備したハーブティーを飲み、新設されたハンモックに身を委ねれば、全身からストレスが抜けていく。

 午後は歩行よりエクササイズ効果が高いというノルディックウオーキング。市天然記念物・熊野神社の大ケヤキや柄山集落まで足を延ばし、約4キロを約2時間。2本のポールを握り、地面を突き刺すようにしてイチニッ、イチニッ。下りはポールを前に突き、上りは後ろに。足への負担は少なく、癒やしに運動効果も加わって実に爽快だ。

 体験終了後は汗を流しに、森の家の送迎車で約10分の「いいやま湯滝温泉」(入浴料510円)へ。千曲川沿いの露天風呂は風情にあふれ、弱アルカリ単純温泉の滑らかなお湯が全身をもみほぐしてくれる。

 夕食も同温泉で取ったが、注文したのは森の家の宿泊者限定料理「温泉プラン」(入浴、部屋代、2人で1人5000円=税込み)。海藻を煮て固めたエゴをはじめ信州サーモンの照り焼き、いもなます、紫米、ササずしなど郷土料理が約20品も。舌にも胃にもやさしくヘルシーなものばかりで、温泉とともに森林セラピーをしっかりアシスト。これで健康にならないわけがない!

 ▽行かれる方へ 車は上信越道豊田飯山ICから国道117号利用。飯山線戸狩野沢温泉駅から送迎バスあり。森の家にコテージ10棟(宿泊料7人利用1人4500円から)。散策、ノルディックとも1人5000円。他に森林ヨガなど。問い合わせは森の家=(電)0269(69)2888、信州いいやま観光局=(電)同(62)3133。

 <中心街にもあった癒やしスポット>心を癒やしてくれるのは飯山市の中心街にもあった。JR飯山線北飯山駅から徒歩5分の「高橋まゆみ人形館」(入館料610円)。同市在住の創作人形作家・高橋まゆみさん(61)が布や紙粘土などで手作りした人形を展示する美術館で、驚くのは人形の表情の豊かさ。特に田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのそれはくちゃっとして可愛く、懐かしく、温かく、そしてどこにでもいるような感じが、見る者をほっこりさせ、感動させる。一度見るとまた行きたくなる不思議な人形館だ。

 9月25日までは「人形を彩る小道具たち」と題して人形を装飾する小道具の作者・伊藤孝氏の作品にスポットを当て、27組の人形を展示中。これまで創作した人形は400体以上で、年に2度、展示替えするという。隣には食事処(どころ)「月あかり」も。(電)0269(67)0139。

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