【だから元気】前田美波里　若さの秘けつはエゴスキュー体操

エクササイズは毎朝欠かさないという前田美波里
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　日本屈指のミュージカル女優、前田美波里（６９）は８月に古希を迎えるとは思えないほど若々しい。水着姿の資生堂ポスターで一躍脚光を浴びてから５０年余。今も変わらぬプロポーションを保ち、舞台でエネルギッシュに歌い踊る。そんな元気の源は毎朝続けている「エゴスキュー体操」。誰でも簡単に、寝ながらだってできる“お手軽運動”で、体の痛みが解消できる！

　今年で７０歳になります。年齢を気にすること自体、私にはナンセンス（笑い）。数字は関係ないですよ。この年代になると、あっちが痛い、こっちが痛いというところが出てくるのは当たり前。それを口にするのではなく、自分で変えていかないとね。自分の体は自分でつくる。楽をして、いい体にはなりません。「自分に厳しく」が私のモットーですから（笑い）。努力すればするほど変わっていきますよ。

　９０歳になっても筋肉は目覚める。それを教わったからこそ、エゴスキュー体操を続けています。２０１１年に始めて、もう７年になりますね。

　私、背骨がＳ字形に少し曲がっているんです。小学４年ぐらいの時、ゴム跳びをしていて右腕を骨折したんですが、ギプスが取れた後にリハビリをしなかった。「痛いから病院に行きたくない」とね。そしたら右腕が伸びなくなってしまって、その影響で背骨も曲がってしまいました。若い頃は大丈夫だったんですが、年齢を重ねていくうちに腰が痛かったり、肩が痛かったり。股関節に一番、負担がきました。それで知人に紹介されて始めたのがエゴスキュー。体のゆがみを直すことで痛みが消えました。骨の周りの筋肉が正常に動けば、いい状態になれる。眠ってしまっている筋肉を目覚めさせるんです。その効果？私がこの年齢でまだ舞台に立っているということが証明していると思いますよ（笑い）。

　エクササイズは毎日やっています。気軽にできますし、続けることが肝心。夜に寝る前でもいいんですけど、やっぱり一日の始まりの朝にやるのが気持ちいいですね。体操の種類はいろいろあります。例えば仰向けになって椅子に脚を乗せ、膝が９０度に曲がるようにして１０分間とか。あるいは、壁に背中を付けて両手を広げ、上半身だけゆっくり左右に動かしたりとか。

　体を目覚めさせたら発声練習。声を出すのも周りの筋肉なので、そこを起こしてからやると声帯を痛めない。それから朝食を取るというのが日課ですね。

　朝食は野菜中心。ゆで卵１つとブロッコリー、アボカドは欠かしません。昼は現場が多いので、ほとんど食べない。あまりにおなかがすいた時にはバナナ半分とか、みかん２個とか。舞台稽古の時は、皆さんお弁当を持ってきて食べたりしていますが、食べてしまうと私、眠くなってしまうんですよ。せっかく覚えたセリフが出てこないというのも嫌ですから。その分、夜はお肉とか魚をしっかり食べます。でも、夜１０時以降は食べません。次の日の朝、おいしく食べたいですし、おなかがすいたという感覚が欲しいので。

　いつまでも舞台に立っていたい！日々の努力を続けてこられたのも、全ては舞台のため。若い世代の方々と同じ舞台に立てる幸せを今、感じています。でも、お客さまも若い方が多いですし、見る目は厳しいですからね。「美波里さん、動きが鈍くなったんじゃない？」なんて言われるのは嫌なので、これからも必死にやっていきます（笑い）。

　≪若手とキスシーンも　７日開演「ブロードウェイと銃弾」≫前田は今年も精力的に舞台に立つ。今月７日からはミュージカル「ブロードウェイと銃弾」東京公演（２８日まで、日生劇場）に出演。その後、大阪公演（３月５〜２０日、梅田芸術劇場）、福岡公演（３月２４日〜４月１日、博多座）と続く。同作はウディ・アレンが監督、脚本を務めた１９９４年公開の同名映画をミュージカル化し、２０１４年にブロードウェーで上演された。１９２０年代の米ニューヨークを舞台に、若き劇作家とギャングの騒動を描くコメディーで、日本初上演となる今回は浦井健治（３６）と城田優（３２）がダブル主演。浦井とのキスシーンがあるという前田は「困ってしまいますね」と苦笑いしつつ「３種類の変わった歌い方をしますし、ちょっと凝った大人のミュージカルを見ていただきたいですね」とアピールした。

　◆前田　美波里（まえだ・びばり）１９４８年（昭２３）８月８日、神奈川県鎌倉市生まれ。父は米国人、母は日本人。６３年に東宝現代劇に８期生として入団し翌年、芸術座のミュージカル「ノーストリングス」でデビュー。１８歳の６６年に資生堂の夏のキャンペーンガールに起用され脚光を浴びる。舞台を中心に映画、ドラマなど幅広く活躍。０９年の主演舞台「アプローズ」で第３０回松尾芸能賞優秀賞を受賞。身長１メートル６９。