【藤井棋聖ぶっちゃけQ&A(2)】AI超えた一手に「ある意味、自分の特徴を出せたところはあるのかな」

[ 2020年7月22日 05:32 ]

リラックスした様子でインタビューに答えた藤井聡太棋聖(撮影・小海途 良幹)
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 将棋の史上最年少タイトル保持者、藤井聡太棋聖(18)がスポニチのインタビューに応え、戴冠者としての思いを明かした。(聞き手・構成 我満 晴朗)

 ――コロナ禍で中止となっていた対局。6月に解禁になった後の対局について振り返ってほしいのですが、6月4日の永瀬拓矢2冠戦(棋聖戦挑戦者決定戦)。3筋に銀を打った勝負手については?
 「途中からかなり判断の難しい局面がかなり続いて、うーん、少しバランスを崩してしまったかなというところもあったんですが、結果的にはその銀の勝負手が通ったという感じですね。難しいのですが、少し苦しいのかなと」

 ――6月8日の棋聖戦5番勝負第1局。渡辺明棋聖(当時)の得意とする矢倉にあえて挑みました。最終盤、腹銀(相手王の左右に持ち駒の銀を打つこと)を打った後に16手連続王手をかけられました。腹銀の時点でもう見切っていたのでしょうか?
 「読み切りというわけではなかったのですが、自分でも何手か考えて、まあ、おそらく詰みはないのかな……というふうに思っていました」

 ――あの時、周囲はヒヤヒヤしていたのですが、藤井棋聖は冷静だったと。
 「そうですね。集中して指せたのかなと思います」

 ――6月28日の棋聖戦5番勝負第2局は、「歩越しの金」という凄い手を出されました。師匠の杉本昌隆八段は「10年前なら、あの手は怒っていました」とコメントしていたほどの手です。
 「そうですね。一応、あの局面になればやってみたい手ではありました。その後、難しい局面が続くのでどうかなと思っていたのですが、比較的うまく指せたのかなと思っています」

 ――終盤では一段目に銀で受ける手もあり、それがAIを超える手と評されました。藤井棋聖自身はどう考えていますか?
 「手が広い局面なので、攻め合いの方針であれば他に有力な手があったのですが、あの銀はいったん攻めを受け止めて反撃に移ろうという方針だったので、ある意味自分の特徴を出せたところはあるのかなと思います」
(続く)

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