槇原敬之被告 初公判で自ら恋人の存在明かし主張「やっていける。クスリを使わなくても」

[ 2020年7月22日 05:30 ]

槇原敬之被告
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 覚醒剤取締法違反(所持)罪などに問われた歌手の槇原敬之(本名範之)被告(51)の初公判が21日、東京地裁(坂田正史裁判官)で開かれた。自ら恋人の存在を明かし「クスリを使わなくてもカレと十分幸せ」と、ここ数年は薬物を使っていないと主張。入手先だった前恋人との関係を切ったと訴え、弁護側は99年の時と同じ執行猶予付きの判決を求めた。

 法廷に立った左手の薬指にはシルバーリング。被告人質問で弁護人に「再々犯をしないと言える理由は?」と聞かれた槇原被告は「パートナーのカレといろんなことを分け合ってやっていける。クスリを使わなくても十分幸せ」と力を込めた。本紙の取材では、恋人は2年前から交際している30代の男性会社員だ。

 槇原被告は黒いスーツ、黒縁めがねにマスク姿。3月の保釈時の長いひげは短くそり、髪の毛もサイドを刈り上げてさっぱりとした印象。坂田裁判官に職業を問われると「シンガー・ソングライターです」と大きな声で答えた。

 恋人の存在を明かす一方で「薬物の入手先だった前パートナーとは関係を解消した」と主張。前パートナーとは所属事務所の元代表の男性(43)。99年の覚醒剤事件で一緒に逮捕され、そろって懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。06年から槇原被告の事務所の代表を務め、20年ほど恋人関係にあった。

 槇原被告は18年3月、その男性の代表職を解任。この約1週間後に男性は覚醒剤所持で逮捕された。槇原被告は昨年11月に、不当解任を訴える男性に「退職金」を支払ったことを明かし「とにかく早く関係を断ち切りたかった」と説明した。

 新恋人と同棲中の東京都渋谷区の自宅から危険ドラッグ「ラッシュ」が見つかったが「(恋人は)全く関係ない」と主張。事件後、恋人に「驚いたけど一緒に頑張っていこうよ」と言われたという。薬物は「長い間使っていなかった」とし、ファンに対しては「デビュー30周年企画が全てキャンセルになってしまった。申し訳ない」と謝罪した。

 検察側は、槇原被告が99年に有罪判決を受けた後も覚醒剤やラッシュを使っていたと指摘。「常習性、依存性は顕著」として懲役2年を求刑した。弁護側は「薬物は捨てずに持っていただけ」と述べ、執行猶予付きの判決を求めた。判決は8月3日に言い渡される。

 ◇槇原被告の覚醒剤事件 警視庁は18年3月、槇原被告の前恋人が当時住んでいた東京都港区のマンションを家宅捜索し、微量の覚醒剤と槇原被告の唾液が付着した吸引具2つとラッシュの小瓶8本を発見。槇原被告には翌4月に任意で尿検査を求めたが結果は陰性。今年2月になって逮捕し、渋谷区の自宅からラッシュの小瓶1本を押収した。東京地検は3月4日に起訴し、槇原被告は保釈金500万円を納付して同6日に保釈された。

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