阪神85年再現や 36試合終了時、同じ名古屋で貯金9 まるでバース3番ノイジー先制口火&適時打

[ 2023年5月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―1中日 ( 2023年5月17日    バンテリンD )

<中・神>5回、ノイジーは適時打を放つ(投手・涌井)(撮影・大森 寛明)
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 阪神は17日の中日戦を3―1で制し、今季初の6連勝で同最多の貯金9とした。殊勲は3番のシェルドン・ノイジー外野手(28)だ。先制口火打に2点目を生み出す適時打の2安打1打点で、ともに自己最長の4戦連続マルチ、6戦連続安打をマーク。36試合目に、名古屋で、3番の助っ人砲が打線をけん引して、中日戦に勝利して、22勝13敗1分けとして、シーズン初の貯金9に到達…これは日本一に輝いた1985年とまったく同じ。このまま首位固めを進め、日本一ロードを突き進む!

 3回まで、猛虎打線は涌井の前に一人の走者も出せなかった。

 流れる沈黙の時間。とはいえ前日16日の豊橋での試合は14安打9得点の大勝し、前回、涌井と甲子園で相まみえた3日も2回終了時の0―6から猛反撃して最後は木浪のサヨナラ打で劇的勝利を収めた。このまま淡々と進むわけがない――。虎党だけではなく、ノイジーの脳裏にもその思いはあっただろう。果たしてN砲のバットが試合の流れを変えた。4回だ。近本、中野が凡退し、無走者投球継続を許すかと思われた2死。初球の緩いカーブを叩き、左前へ運んで口火を切った。

 「打てるボールを見ていって、いいスイングを心がけた」

 この号砲に後続が続いた。大山、佐藤輝、島田が3者連続四球をもぎ取り、労せずして1点を得た。直後の5回も2死無走者から近本、中野が連打を浴びせて一、二塁。ここでノイジーのバットが再び快音を奏でた。今度は中前適時打。「ヒットは打てていたけど、タイムリーは久々だったからうれしいね」とご満悦だ。

 13日DeNA戦から4試合連続マルチ。その間は19打数11安打、打率・579。14日の「母の日」をまたいで一気に状態を上げているのは決して偶然ではない。来日中の家族との時間を大切にし、常に気分転換ができる環境が整っていることが好調の要因と言っていい。前日16日に訪れた豊橋では、午前中、ケイデンス夫人、スローン君、ストラトン君を伴ってチーム宿舎の近隣を散策。覇権を争う激しい戦いの中に身を置く男にとって、ファミリーの存在が何よりの癒やしになる。

 「この流れを継続していきたい。いい流れに乗っているので、このままいきたい」

 今春宜野座キャンプ中の2月23日、練習試合のためチームが中日キャンプ地・北谷を訪れた際、岡田監督は立浪監督から「いい外国人獲りましたね」と声を掛けられた。敵将も早くから認めていた実力を発揮し、今季最長の6連勝に大きく貢献した。これで36試合を終え22勝13敗1分け、貯金9。実はこの戦績、球団史上唯一の日本一となった85年の36試合終了時点とシンクロする。さらに戦場が名古屋の地までそろう。38年前はバース、今年はノイジーと、3番が打線をけん引したのも同じ。投打がガッチリかみ合う今、首位を突っ走る猛虎の前に立ちはだかる障壁は、限りなく低い。(八木 勇磨)

 ▽1985年6月1日・中日戦(ナゴヤ) 阪神は初回1死三塁、3番・バースが左前適時打を放って先制。3回にもバースが相手先発・小松から16号ソロを放つと、5回には4番・掛布が適時打と効果的に加点。バースは決勝打を含む3安打2打点と打線をけん引した。投げては先発・ゲイルが7回途中2失点で5勝目。阪神は4連勝で22勝13敗1分けとし、シーズン初の貯金9に到達。首位を堅持した。

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