メッツ千賀 両親の前で快投演じ「ブーイングを食らう姿を見せなくて良かった」

[ 2023年5月18日 23:08 ]

6回、ウォールズを三振に仕留め吠える千賀(AP)
Photo By AP

 メッツの千賀滉大投手(30)が17日(日本時間18日)、本拠地ニューヨークでのレイズ戦に先発し、メジャーNo・1の得点力を誇る打線を相手に6回3安打1失点、メジャー自己最多12奪三振の快投を見せた。チームは8―7で逆転サヨナラ勝利を収め、千賀に勝敗は付かなかった。千賀の防御率は3.77となっている。

 両親の前で見せた渾身の奪三振ショーだった。98マイル(約157・7キロ)の速球と宝刀ゴーストフォークを小気味よく投げ分けた千賀は立ち上がりから三振の山を築く。序盤戦はメジャー最高勝率で突っ走り、WBCメキシコ代表のアロザレーナを軸にチーム打率、得点、本塁打、OPSなどすべてメジャーNo・1というレイズ打線を1失点に封じた。

 「相手打線が強いというところを自分の頭の中に入れながら、しっかり戦えていたんじゃないかなと思います」

 負けられない理由があった。優勝候補に挙げられたチームは出遅れ、前日はエースのバーランダーが6失点KOで地元ファンからブーイングを浴びた。この日は初めて両親、妹らが本拠地シティ・フィールドに観戦に訪れ、その思いを胸に強豪チームに立ち向かった。結果はメジャーでの自己最多の12三振。「ブーイングを食らう姿を見せなくて良かったなと思いますし、とにかく自分のピッチングができた1日じゃないかなと思います」と表情を崩した千賀の好投に味方打線も応えた。

 2点を追った7回にビエントスが同点2ラン、また3点差を付けられた9回2死からアルバレスが起死回生の同点3ラン。さらに再び2点差を付けられた延長10回裏にアロンソが逆転サヨナラ3ランを放ち、8―7で劇的な勝利。「ホームラン3発で逆転なんて漫画のよう。すごい興奮しました」と千賀も目を丸くしたほどのドラマチックな勝利で、メッツは連敗を3で止めた。

 この日も含め、メジャーでの最初の8登板で55奪三振はチーム史上3位。ノーラン・ライアン(64)、ドワイト・グッデン(59)という2人のレジェンドに次ぐペースで三振を稼ぐ背番号34の好投なしに勝利はなかったはず。

 チームを救った渡米以来最高のパフォーマンスに、千賀は「とにかく何とか勝ちたいという気持ちでいい準備ができた」と興奮冷めやらない口調だった。(杉浦大介通信員)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月18日のニュース