あぁ痛恨…NPB審判員の忘れ物シリーズ ロボコップ審判、灰皿股間ガードの思い出

[ 2023年5月18日 08:00 ]

5月14日の巨人―広島で「母の日」に合わせ審判団もピンクのシャツや帽子をかぶる
Photo By スポニチ

 アマチュア野球を担当している記者の肩掛けバックには“七つ道具”が入っている。カメラ撮影をする際に必要な腕章、大容量のSDカード、プロ野球開催球場に入れるパス、ICレコーダーなど。東都リーグ1部に所属する青学大の優勝が懸かった17日、そのバッグを自宅に忘れた。財布もその中にあったが、スマホの“おサイフケータイ機能”で何とか神宮球場まで移動。久々の忘れ物。11年から16年まで務めたNPB審判員時代を思い出した。

 NPB審判員も持ち物が多い。球審の日はマスク、プロテクター、レガース、シャツ、スラックス、スパイク。また、小物も多く、メンバー表、カウントを記録するインジケータ、ベースに乗った土を取り除くためのハケなどがある。1年に最低でも100日は出張があり、担当する西日本エリアを目まぐるしく駆け回る日々。当然、忘れ物をする日もある。

 同僚の忘れ物は笑いのタネだ。ある審判員は球審が上半身に着用するプロテクターの上に着るユニホームを忘れた。そのためプロテクターの上にむりやりアンダーシャツを着てごまかしたが、ロボコップのような筋骨隆々のシルエットとなり、試合前の審判室は笑いに包まれた。

 人のことは笑えない。私は球審を担当する日に一番大切なモノを忘れてしまった。ある日の試合直前、股間をガードする「カップ」を忘れたことに気づいた。先輩からは「お前、これいっとけや」と銀色の物体を差し出された。どこからか借りてきた灰皿である。背に腹は代えられない。着用して試合に臨んだ。当然、股間は不自然な隆起に…。各方面からの視線が痛かった。

 忘れ物を機に昔の苦々しい失態を思い出したが、反省とともに今回のコラムのネタになったと、前向きに捉えようと思う。(記者コラム・柳内 遼平)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月18日のニュース