DeNA・牧で連敗脱出「4番の仕事」逆転弾!逆転弾! 今季初2発で自己最多タイ5打点荒稼ぎ

[ 2023年5月18日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA7-4広島 ( 2023年5月17日    横浜 )

<D・広>お立ち台の牧(撮影・島崎忠彦)
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 逆転弾の牧だ!DeNAの牧秀悟内野手(25)が17日の広島戦で、1点を追う8回1死一、三塁から右越えへ逆転の決勝3ランを放った。1点先制された直後の初回の7号2ランも含め、今季の8本中4本が逆転本塁打という圧巻の勝負強さ。4番打者が自己最多タイとなる5打点の活躍を見せ、負ければ3位転落だったチームの連敗を「6」で止めた。

 これぞ4番だ。苦しいときにチームをバットで勝たせる。横浜スタジアムの大歓声の中を、勢いよく伸びていく打球。牧のバットが重苦しいムードを一気に吹き飛ばした。

 「4番の仕事をするしかない。そういう強い気持ちで打席に入った」。チームが今季ワーストの6連敗で迎えたこの夜。不動の4番に座る男のバットがさく裂した。1点を先制された初回2死二塁から、まずは1本目をバックスクリーン右へ突き刺す。7号2ランだ。漂う負の流れですぐに逆転されると、極め付きは3―4で迎えた8回だった。

 先頭の佐野が粘って四球。雄叫びを上げて一塁へ向かう主将の姿で火が付いた。1死一、三塁で巡って来た第4打席。0―1から九里の高めに浮いたカットボールを逃さない。渾身(こんしん)のスイングで捉えた打球は、ライナーで右翼席へ。逆転の8号3ランで、今季初の1試合2発。チームの連敗を6で止めるとともに、3位転落の危機を救った。

 自己最多タイ5打点の荒稼ぎで25打点はリーグトップに立ったが、牧にとって数字は関係ない。「自分の状態より、チームの勝ちにつなげられてよかった」。4番の責任感が言わせた言葉だった。

 今季はWBCで開幕前の打席数が不足。その影響からか、チームが首位を走る中で牧自身は3、4月は3本塁打、打率・235と低迷した。そんな中で試行錯誤し、早出特打も敢行。田代巡回打撃コーチから日々アドバイスをもらった。「その日の悪いとこを一言で言ってくれ、いい助言を頂いている」。現役時代はDeNAの前身である大洋の主砲だった同コーチの言葉で、本来の逆方向への強い打球が復活。「恩返しじゃないけど、認められるよう頑張ります」。これで5月は5本塁打、打率・353。さらに8発のうち4発が逆転弾と、勝負強さもよみがえった。

 試合後、ロッカーからは久々に大騒ぎするナインの声が漏れてきた。「久しぶりにだいぶ騒いでたね」。三浦監督はそう目を細めると、続けて「牧がこれぞ4番の仕事をしてくれた」と称賛した。4番で連敗ストップ。DeNAはここから再び上昇気流に乗る。(秋村 誠人)

 ≪球団初のマルチ逆転本塁打≫牧(D)が8回の決勝3ランを含む2本の逆転弾。マルチ本塁打は1年目の21年9月30日ヤクルト戦(神宮=先制弾、勝ち越し弾)で打って以来2年ぶり2度目で本拠地では初めてだ。また今季の8本塁打の肩書を見ると、半分の4本が逆転の一発で、先制、勝ち越しも各1本。殊勲アーチ6本は、村上(ヤ)、佐野(D)、中村、マキノン(ともに西)の各5本を上回る今季両リーグ最多と貴重な一発を量産している。なお、DeNAで1試合2本の逆転本塁打は前身球団を通じ牧が初の快挙になった。

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