エンゼルス大谷 史上初「先発投手サイクル」惜し~!メジャータイ記録10戦連続被安打3以下

[ 2023年4月29日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス8―7アスレチックス ( 2023年4月27日    アナハイム )

<エンゼルス・アスレチックス>6回、ケンプを三邪飛に仕留め引き揚げる大谷(撮影・会津 智海)
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 史上初の先発投手のサイクル安打達成!にあと2・13メートル…。エンゼルスの大谷翔平投手(28)が27日(日本時間28日)、アスレチックス戦に「3番・投手兼DH」で先発。6回3安打5失点で開幕から無傷の4勝目を挙げた。打っては今季初の3安打で本塁打が出れば自身2度目のサイクル安打だった8回、中堅フェンスまで7フィート(約2・13メートル)の特大の中飛。惜しくも偉業を逃したが、二刀流ならではのパフォーマンスだった。

 バットは完璧に振り抜かれた。大谷も一瞬、そのまま動きを止めた。打球角度は理想的な31度。中堅やや右奥、中堅手はフェンス際まで背走する。ファンも総立ち。だが、396フィート(約120・7メートル)の中堅フェンス手前の389フィート(約118・57メートル)でキャッチされた。サイクル安打に、7フィート(約2・13メートル)足りなかった。

 「(バットの)先だったのでいったとは思わなかったけど、一、二塁だったので本塁打というよりはしっかり安打を打ちたいなと思っていた」

 二塁内野安打、左中間二塁打、凡退を挟み右越え三塁打。単打から順番にクリアする「ナチュラル・サイクル」安打に迫っていた。だが8回、あと2・13メートルで19年6月13日のレイズ戦以来自身2度目のサイクルは届かず。大リーグ公式サイトも「誰もが大谷が歴史的サイクルを達成したと思った」と伝えたほどだった。

 打っただけではない。この日は先発登板。5失点した4回以外は無安打投球の6回3安打5失点で4勝目を挙げた。「ブルペンでは今季一番調子が良かった」と直球は今季自己最速101・2マイル(約163キロ)を計測し、3回まで完全投球。だが、自身も二塁打を放ち5点を挙げた直後の4回、先頭打者への死球から一変した。4四死球、2暴投に今季初めての本塁打を2本も浴び、一気に今季ワースト5失点。サイン伝達機器「ピッチコム」の不具合、この試合初めてのクイックモーションなどが影響し「ちょっと守りに入ってしまった。なかなかリズムをつかみきれなかった」と反省した。

 防御率は0・64から1・85となったが被安打は3本のみ。メジャートップの被打率・102は開幕から6試合のメジャー記録で、チームも3連勝し貯金を2とした。次回登板は再び中5日で5月3日(日本時間4日)のカージナルス戦が決定的。「楽しみにしてるが、まずは次の3戦(ブルワーズ戦)が大事」としたが、WBCでともに戦ったヌートバーとの初対戦が待っている。(柳原 直之)

 ≪デグロムに並ぶ≫大谷が6回3安打5失点で4勝目。これで昨年9月17日のマリナーズ戦から10試合連続被安打3以下となった。投本間が現在の距離になった1893年以降、先発し10試合連続被安打3以下は21年のメッツ・デグロム(現レンジャーズ)と並ぶメジャー記録となった。また3回まで無失点で本拠地では35イニング連続無失点。79年に新人の救援右腕だったマーク・クレアがマークした36回2/3に次ぐ球団2位の連続無失点記録となった。

 ▽大谷のサイクル安打 19年6月13日、敵地トロピカーナ・フィールドでのレイズ戦。「3番・DH」で出場し、初回に左中間3ラン、3回に左中間二塁打、5回に右翼線三塁打、7回に中前打の4打数4安打で決めた。日本選手の野手通算8725試合目で初めての達成だった。投手登板時のサイクル安打は1888年7月28日にシカゴ・ホワイトストッキングス(カブスの前身)のジミー・ライアンが記録も救援登板で、先発での達成はない。

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