西武・愛斗が完成させた「ライトゴロ」を振り返る 数秒間に何が起こっていたのか

[ 2023年4月29日 08:00 ]

西武・愛斗
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 年間100試合以上球場で見る野球記者でも、なかなか生でお目にかかることのできない「ライトゴロ」。4月26日の西武―ロッテ(ZOZOマリン)で西武・愛斗が完成させ、ピンチを救った。

 4回2死一、二塁のピンチで、外野は前進守備を敷いていた。ここでロッテ・田村が、右翼に鋭い打球を放った。猛チャージして一塁へ送球すると、田村は余裕のアウトとなった。この時何が起こったか。愛斗への取材で、数秒間を振り返る。

 <1>判断 愛斗は「先のランナーはホームにいけないと思ったので一塁に投げました」と語っている。速い打球であったので“二塁走者の佐藤都が三塁を回ることはない”と瞬時に判断していたのだ。佐藤都が一気に二塁から生還し、なおかつ、送球先の一塁もセーフとなれば痛い。だが、それはないと考えた。

 <2>連携 見逃してはいけないのが、きちんとベースに入っていた一塁手。この試合は新外国人のマキノンだった。愛斗は「いつも狙えたら狙う、と話しているので」と説明した。普段からのコミュニケーションが実った。

 <3>強肩 愛斗の肩の強さ、守備力は定評がある。21年8月にも同球場のロッテ戦でエチェバリアを刺していて、自身にとっては2度目の右ゴロ。一塁送球には迷いがなかった。

 直後の5回に愛斗が打席に立った際に捕手の田村に何か話しかけられ、頬が緩む様子が記者席のモニターに映った。試合後、報道陣が真相を聞くと「あれは無理やな」と言われたのだとか。3学年上の田村は小学生の頃からの知り合いで、同じ大阪のボーイズチームに所属していた。愛斗は「そうっすね」と返したそうだ。(記者コラム・神田 佑)

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