福留孝介氏 大谷の軸「スイーパー」他の球種との曲がり幅の判別困難 右打者特に厄介

[ 2023年4月29日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス8―7アスレチックス ( 2023年4月27日    アナハイム )

<エンゼルス・アスレチックス>4回、ルイーズを空振り三振に仕留める大谷(撮影・会津 智海)
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 開幕4連勝を飾った大谷の投球を、日米通算2450安打の福留孝介氏(46、野球評論家)が解説。今季の軸となっている「スイーパー」について、打者目線から対応の難しさを語った。

 大谷の武器となっているスイーパー。この試合で印象的だったのは、右打者が左バッターボックスの真ん中付近のボール球でも振っていたこと。打者は変化球の軌道や曲がり幅はある程度、イメージして打席に入るが、大谷はスライダー系の球種が3つある。小さな曲がりのカットボールと斜め縦に落ちる縦スラ、そして曲がりの大きいスイーパーだ。

 似た回転の3つの球種で瞬時に曲がり幅を判断して対応するのは難しい。カットと縦スラもあるだけに、同じ軌道からさらに曲がるスイーパーにバットが出てしまう。特に右打者には厄介。壁(左打者)がない分だけ、腕を下げて思い切り曲げてくる。4回2死一、三塁でルイーズを空振り三振に仕留めた球は20インチ(約51センチ)も曲がっていた。大谷は器用なので曲がり幅を自在に扱うことができる。

 4回は初めて走者を許したこともあり、左足を踏み出した際のバランスが少し崩れていたように見えた。以前なら頭を整理するために間を長く取ることもできたが、ピッチクロックがあると、常に一定のリズムを刻まないといけない。大谷は自分で配球を考えてサインも出す。残り3秒くらいで始動した時は投げ急いで球がバラつく傾向がある。バランスが悪いイニング中の修正は今後の課題になるが、全体で見れば、直球も力感なく160キロ前後出ていたし、非常にいい内容だったと思う。

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