澄まし顔はもうやめた 3戦3勝の阪神・大竹 派手なガッツポーズの真相「昨日、ホークスの…」

[ 2023年4月29日 07:10 ]

セ・リーグ   阪神4-0ヤクルト ( 2023年4月28日    神宮 )

5回を無失点で切り抜けガッツポーズする阪神先発・大竹(撮影・沢田 明徳)
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 阪神・大竹が猛虎の歴史に名を刻んだ。5回無失点でリーグトップに並ぶ無傷の3勝目。3試合目にして初の四球を与えながら、3安打しか許さず、球団初となる移籍後初登板からの3戦3勝を成し遂げた。

 「球場も狭いが、怖がって投げるのではなく、しっかり内角も使いながら投げていくことを大事にした。甲子園で投げているくらいのメンタルで投げた」

 敵地とは思えぬ大歓声に背中を押された。「ビジターって感じじゃなかったので、投げやすかった」。勝利の帰途では、あまたのねぎらいの言葉が降り注ぐ三塁ファウルゾーンを気持ちよさそうに歩いた。惜しむべくは5回での降板。「いくつもりではいた」と強気でも岡田監督の判断は継投。「もう1イニング…と任せてもらえるような投球をしたい」と反省も忘れない。

 普段は丁寧でもの静かな左腕が獣と化したシーンがあった。5回1死二、三塁。並木が企てたセーフティーバントを落ち着いて処理し、続く浜田を中飛に斬った瞬間、左拳を振り下ろし、吠えた。これには理由がある。

 「昨日(27日)、ホークスの森唯斗さんが投げているのを見て、すんごい叫んでいた。ああいうのってチームも盛り上がっていくのかな、と思って」

 先輩の勇姿に触発され、澄まし顔はもうやめた。抑えれば喜び、打たれれば悔しがる。「うれしかったら“よっしゃー”っていうのを見せていきたい」。自然に湧き上がる感情の起伏を、隠さず表に出すことに決めた。

 「神宮は早大時代に思い出のある球場。いいイメージで臨めた」

 名門・早大から育成ドラフトでプロ入りすることに周囲の反対が皆無だったわけではない。強豪社会人チームからの誘いも当然あった。それでも「プロに行く」と決断した。「社会人に行って後悔するかもしれない。でもプロに行って後悔することはない」。選んだ道が正しかったことを、己の力で証明しつつある。  (八木 勇磨)

【データ】
 ○…大竹(神)が昨オフの現役ドラフトで阪神に移籍後3戦3勝。阪神の移籍選手では03年伊良部秀輝の2戦2勝を抜いて単独最長となった。なお外国人選手を含めても、加入初登板からは08年アッチソンの3戦3勝があるだけ。次回登板で球団初の快挙に挑む。

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