東邦・吉納“背水”の決勝3ラン 4日が60歳誕生日の監督にVプレゼントだ!

[ 2019年4月3日 05:30 ]

第91回選抜高校野球準決勝   東邦4―2明石商 ( 2019年4月2日    甲子園 )

7回2死一、二塁、東邦・吉納は中越えに先制の3点本塁打を放つ(撮影・北條 貴史) 
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 右拳を振り下ろして雄叫びを上げる。東邦の2年生・吉納は全身で喜びを表現しながらダイヤモンドを駆けた。0―0の7回2死一、二塁。2ボールから明石商・中森の外角直球を捉えた打球は大きな弧を描き、逆方向の左中間席まで届いた。優勝した1989年以来、30年ぶりの決勝進出をグッと引き寄せる決勝3ランに「目は開いているんですが、何も見えなかった」と興奮状態で、歓喜に沸くベンチに飛び込んだ。

 準々決勝・筑陽学園戦で5打数無安打3三振。1日の練習では森田泰弘監督(59)から助言を受け中堅方向を意識。朝晩の素振りの際に聞く音楽も、お気に入りの「BIGBANG」から「TWICE」に替えた。打順も5番から7番に降格し「今日打たなきゃ、明日はない」と危機感を抱き打席に立った。

 幸運にも1ボールとなったところで直前に死球を受けた一塁走者・河合の治療があり結果的に代走が送られたことで「空白」が生まれた。中森にとっては嫌な間となる一方で、吉納は「リラックス」を自身に言い聞かせた。「自分は全然下のレベル。凄い投手と思いつつ、打席に立った」と無心で同学年の147キロ右腕から公式戦2本目となる高校通算12号の殊勲の一撃を放った。

 「平成最初の王者」が平成最後の大会優勝に王手をかけた。指揮官も「何が何でも優勝します。必ず我々で締めようと思っていた」と力強く宣言した。腎不全のため歩行に支障をきたすなど体調が悪化し昨年11月に入院。12月に移植手術を受けた。1カ月以上の入院、静養を経てユニホーム姿で指導再開したのが3月8日。「監督としてそんなに長くない。逃げずに優勝を意識してやらないといけない」。チームスローガンの「堂々TOHO」を最前線で体現する。

 4日には60歳の誕生日を迎える。優勝でバースデーに花を添えることがチーム全員の共通認識だ。主将の石川も「優勝しに、ここに来た」。決勝の相手は初優勝を狙う習志野。一丸で最後の一歩を踏みしめる。(桜井 克也)

 ≪勝てば単独最多5度目の優勝≫愛知県勢の決勝進出は05年優勝した愛工大名電以来、のべ19校目で、優勝はのべ10校。東邦は中京大中京と並び4度の優勝を誇り、勝てば単独最多5度目の優勝となる。東邦が今大会4勝目をあげて選抜通算勝利を55勝としトップの中京大中京に並んだ。愛知県勢は春夏合わせ大阪、兵庫、東京に続く通算300勝に到達。

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