広島 1378日ぶり単独最下位、長野移籍1号空砲も前向く

[ 2019年4月3日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4―7中日 ( 2019年4月2日    ナゴヤD )

<中・広>7回表無死、移籍1号の勝ち越しソロを放った長野(左)を迎える菊池(撮影・椎名 航)
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 広島・長野久義外野手(34)に待望の移籍初本塁打が生まれた。2日の中日戦に「6番・左翼」で初先発し、同点の7回に一時勝ち越しの左越えソロ。4回には右前打も放ち、マルチ安打の活躍だった。救援陣が踏ん張り切れず3連敗。15年6月24日以来1378日ぶりの単独最下位となったが、長野を含む“役者たち”の打撃は明るい材料だ。

 試合の佳境。集中力はマックスだった。今季5打席目にして生まれた移籍1号。ただ、救援陣がリードを守り切れず、チームの勝利に結びつかなければ、長野に笑顔はない。言葉数も多くなかった。

 「まぐれです。イニングの先頭だったので塁に出ることを心掛けていました」

 同点で迎えた7回の先頭打者。フルカウントから大野雄の外より147キロ直球を振り抜くと、打球は赤ヘル党で埋まる左翼席に吸い込まれた。一時勝ち越しのソロアーチ。4回には右前打を放っており、マルチ安打の活躍だ。

 6番・左翼で移籍後初スタメン。東出打撃コーチは戦前「野球は1本の安打で変わる。野間が典型」とし、3月31日の古巣・巨人戦で移籍後初安打を放った34歳の活躍を予告していた。大野雄には昨季まで通算打率・343。実績はダテじゃない。

 オープン戦は低調だった。出場14試合で24打数3安打の打率・125。引っ掛けたゴロや力のない飛球が目立ち、全開には時間がかかると見る向きが少なくなかった。巨人時代はスロースターターと評されたことも。それがどうだ。首脳陣は感心しきりだった。

 「よかった。打席で見た感じも悪くない。どんどん試合に出てもらう」。緒方監督がそう称えると、高ヘッドコーチも「やっぱり実績を残している選手。オープン戦とは振りが違う。左に限らず、右投手でも使うかもしれない」と目を細めた。

 この日は巨人・丸も移籍1号。その約1時間後に、長野のソロが飛び出した。新天地で活躍を誓う2人が同じ日に初アーチを掛けるのは何かの縁か。出場機会を増やすという、首脳陣の意向を報道陣から聞かされたベテランは言葉に力を込める。

 「コンディション? もちろん、大丈夫。まだまだ始まったばかりですから。みんなでまた明日…」

 チームは3連敗を喫し、15年6月24日以来1378日ぶりの単独最下位となった。その中で役者たちは状態を確実に上げてきた。さあ、巻き返しだ。(江尾 卓也)

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