3回戦敗退の柔道・向「圧倒的に勝つつもりだったが、偉そうに言っても勝たなかったら話にならない」

[ 2021年7月28日 14:47 ]

東京五輪第6日 柔道男子90キロ級 ( 2021年7月28日    日本武道館 )

ハンガリー選手と対戦し敗れた男子90キロ級の向翔一郎(左)  (AP)
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 柔道男子90キロ級の向翔一郎(25=ALSOK)が、3回戦でトート(ハンガリー)に敗れ、メダルを逃した。

 同級は前回リオデジャネイロ五輪でベイカー茉秋(日本中央競馬会)が優勝していたが、日本勢の連覇は早々と消滅。また、日本男子勢としては、60キロ級・高藤直寿(28=パーク24)に始まり、66キロ級・阿部一二三(23=パーク24)、73キロ級・大野将平(29=旭化成)、81キロ級・永瀬貴規(27=旭化成)と4日連続で金メダルを獲得していたが、初めて東京五輪でメダルを逃したことになる。

 敗退が決定後、向は、悔しさを押し殺し、さばさばした表情で「本能のままに柔道ができたということは楽しかったです」と話した。相手に大外刈りで一本を決められた場面は、ビデオ判定となったが、判定は覆らず。向は判定などについては文句を言わず「仕方ないです。これがオリンピックです」と言い訳はしなかったが、「ボランティアの方々にもたくさん協力しいていただいて、メダルを見せてあげたかったですけど、これが勝負の世界」と悔しそうな表情を見せた。

 ここまで、日本男子は4日連続で金メダルを獲得。プレッシャーなどは感じたか、と問われた向は「きょうは圧倒的に勝つつもりで来ていたのんですけど、結局、何を偉そうに言っても、勝たなかったら話にならない」と話し、31日に行われる五輪史上初めて開催される混合団体戦については、「団体戦は、気持ちを切り替えて、次は個人競技ではないので。個人戦で負けたことを引きずって、チームの足を引っ張らないように切り替えて、日本のためにもしっかり最後までやろうと思います」と誓っていた。

 向は、初戦となった2回戦ではフェイエ(モーリシャス)を背負い投げで2度の技ありを奪い、一本勝ち。だが、延長戦に入った3回戦は、6分55秒に大内刈で一本を奪われて、敗退が決まった。

 ◇向 翔一郎(むかい・しょういちろう)1996年(平8)2月10日生まれ、富山県高岡市出身の23歳。4歳から柔道を始める。高岡第一から14年4月に日大入学。17年に選抜体重別、講道館杯で優勝。18年2月のグランドスラム・パリ大会でワールドツアー初優勝し、同年は世界選手権団体戦代表に選ばれた。ALSOK所属。左組み。得意技は内股。1メートル78。

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