桃田賢斗、まさかの1次リーグ敗退 韓国選手にストレート負け「自分でもどうしていいか分からず」

[ 2021年7月28日 21:46 ]

東京五輪第6日 バドミントン男子シングルス1次リーグ ( 2021年7月28日    武蔵野の森総合スポーツプラザ )

男子シングルス1次リーグで、韓国の許グァンヒに敗れ決勝トーナメント進出を逃した桃田賢斗
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 男子シングルス1次リーグ第2戦が行われ、世界ランキング1位で第1シードの桃田賢斗(NTT東日本)は同38位の許グァンヒ(韓国)と対戦し、15―21、19―21のストレート負けを喫した。これにより、決勝トーナメント進出を逃した。

 16年リオデジャネイロ五輪は違法賭博問題で出場を棒に振り、1年の謹慎処分や昨年1月にはマレーシアで交通事故に巻き込まれて大けがを負い、2月には右目の眼窩底骨折の手術を受けた。そんな苦難を乗り越えてつかんだ初の五輪舞台。世界ランキング1位で悲願の金メダルを狙ったが、早すぎる敗退となった。

 金メダルの大本命とみられていた桃田だが、「試合の入りはよかったが、途中から自分の気持ちが引いてしまった。メンタルの持ち方が、自信を持ってプレーできなかったので、よくなかった」と肩を落とした。

 第1ゲームの前半は順調だったが、10―5とリードした場面から一気に暗転した。相手のフォア側からの鋭いスマッシュに全く反応できない場面が目立ち、10連続失点で流れを手放した。その場面について心中を問われると「そうですね。ちょっと、流れを止めれなくなってしまって、自分でもどうしていいか分からず、そのまま1ゲーム目が終わってしまって、その流れのまま、相手に2ゲーム目もいい勢いのままプレーされて、最後まで苦しい展開だった」と力なく答えるしかなかった。

 実戦不足が影響したことについては「それは、みんな同じ条件。言い訳はできない」とキッパリ否定したが、早々と敗退したことには「悔いはないかと言われれば、そうではないが、このコートに立つまでに色々な人に支えてもらったので、苦しかったですが、やり切ったかなと思います」と話した。

 23日の開会式では五輪旗を運ぶ大役を務めるなど、バドミントン界だけにとどまらない強さを象徴するアスリートだった。大会中は取材エリアで「誰が金メダルを獲るか」と問われた際に、「遠慮して金メダルを獲る選手はいないので、僕だと思います」と、強気に語ったこともあったが、誰も予想できないほど早い敗退となってしまった。

 ◆桃田 賢斗(ももた・けんと)1994年(平6)9月1日生まれ、香川県三豊市出身の26歳。7歳で競技を始め、福島・富岡一中―富岡高(現ふたば未来学園中、高)から13年にNTT東日本入社。12年に世界ジュニア選手権優勝。18、19年世界選手権で日本勢初の2連覇。19年にワールドツアー11勝を挙げ、ギネス記録に認定。名前の由来はコミック「スーパーマン」の主人公クラーク・ケント。1メートル75、72キロ。左利き。

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