北園丈琉は個人総合5位「今できる完璧な演技ができた」運命変えた内村と一致する数字

[ 2021年7月28日 22:46 ]

東京五輪第6日 体操 ( 2021年7月28日    有明体操競技場 )

<東京五輪 体操男子個人総合決勝>あん馬の演技を行う北園(撮影・北條 貴史)
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 男子個人総合決勝で、18歳の北園丈琉(徳洲会)は6種目合計86・698点で5位に入った。

 「ずっと目標にしていたのは優勝だったので悔しさはあるけど、今できる完璧な演技ができたという達成感がある」

 18歳の運命を変えた試合と数字がある。18年5月のユース五輪代表選考会。約1カ月前に左足首を骨折しながら、世代別の夢舞台を目指し強行出場して1位で代表に。2位との0・099点差は、憧れの内村航平が16年リオ五輪個人総合でベルニャエフを下して連覇を果たした時と同じだった。

 ユース五輪は個人総合など5冠を達成。美しい演技が魅力で、早くから“内村2世”と呼ばれた。キングは「そう呼んでプレッシャーをかけないでほしい」と話したが、「内村2世と言ってもらえるのはうれしいし、プレッシャーには感じない」と北園。黄金の実績を継承する大器と周囲から見られるのは、大きな喜びだった。

 4月の全日本選手権で右肘剥離骨折、両肘靱帯損傷の重傷を負った。中学時代から欠かさず書いてきた体操ノートに文字を記せないほどの失意の中で携帯電話が鳴る。内村からだった。「気持ちを切らさなかったら、絶対に戻れるから」。キングの言葉が再起のきっかけとなり、6月の全日本種目別で大逆転の代表入り。初の五輪は団体総合銀メダルに貢献し、個人総合でも奮闘した。

 母校・清風高の体操場には監物永三を始め、歴代のオリンピアンの写真が飾られている。15人目として名を連ねる北園が大切にしているのは、「核心に触れるまで努力する」という清風魂だ。今大会最後の演技となる種目別鉄棒(8月3日)で、18歳が黄金の核心に迫る。

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