個人総合5位の北園丈琉、泣き虫の小さな優等生が見せた大きな存在感

[ 2021年7月28日 22:42 ]

東京五輪第6日 体操 ( 2021年7月28日    有明体操競技場 )

トミオカ体操スクールの冨岡代表(後列)と小学生時代の北園(前列右、左は石沢大翔)
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 男子個人総合で5位に入った北園丈琉(18=徳洲会)は3歳の時、大阪市東住吉区のトミオカ体操スクールで体操に出合った。

 同スクール代表の冨岡知之氏(44)の記憶は今も鮮明だ。「動き出したらめちゃくちゃ運動神経が良くて。すばしっこくて力強かったなあ」。これまで優に1000人を超える子供を見てきたが、「あんな子は後にも先にもいませんね。今、こうなっているから言うわけじゃありませんよ」と明かした。

 小学校低学年まで、北園はよく泣いたという。体育館に来たのに練習するのが嫌で、玄関で体育座りをして涙。初めての公式戦だった小学1年の関西ジュニアでは、試合直前に「もうやめる、出ない」と言って泣いた。冨岡氏は「何とかなだめて試合に出したんです。床運動で自分の位置が分からなくなって、違う方向に走っていったけど」と笑って回想する。

 バレエのレッスンにも取り組み、美しい演技の基礎を築いた。ケガが付き物の競技のため、集中していない児童には厳しく指導する冨岡氏だが、北園を叱ったことは一度もない。「ちゃんと話が聞ける子なんですよ」。同スクールにいたのは小学6年まで。1メートル27で清風中に巣立った小さな優等生は、初の五輪で大きな存在感を示した。

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2021年7月28日のニュース